総聯代表、首相に要請書/相次ぐ迫害事件、厳重な取り締まりを
共和国の人工衛星打ち上げ以降、日本社会で反共和国、反総聯の動きが悪質化する中、総聯組織と朝鮮学校生徒に対する暴言、暴行、脅迫事件が相次ぎ、さらには総聯千葉支部副委員長がテロ行為によって殺害されるという事態まで発生したことと関連し、総聯代表らは19日、首相官邸を訪れ、在日朝鮮人の人権と生活、企業活動、生命をも脅かす一連の不法行為を、日本政府当局が厳重に取り締まるよう強く求める総聯中央常任委員会名義の要請書を小渕首相あてに提出した。
同日、首相官邸を訪れたのは総聯中央の柳光守同胞生活局長を責任者とした、総聯千葉県本部の尹東煥副委員長、商工連合会の白明徳副委員長、女性同盟中央の盧民愛国際部長、東京朝鮮第6初級学校の金生華校長など総聯の各機関、団体代表ら一行。鈴木宗男内閣官房副長官に要請書を手渡した。清水澄子参院議員(社民)が同行した。
要請書は、共和国の人工衛星打ち上げをきっかけに反共和国キャンペーンが繰り広げられる中で、総聯組織と朝鮮学校生徒に対する挑発、破壊行為と脅迫、暴言、暴行などの人権侵害行為が各地で連日のように引き起こされている事実を明らかにしながら、こうした一連の行為は、日本当局が共和国の人工衛星打ち上げを認めず共和国敵視政策を取り、一連の「制裁措置」を続けていることに起因していると指摘した。
そして、日本政府には在日朝鮮人の人権を保障する法的、道徳的な責務があると強調しながら@各地の総聯機関と金融機関、学校に対する右翼団体の不当・不法行為を厳重に取り締まり、再発防止の措置を取るA総聯千葉県本部での活動家殺害および放火事件の犯人を逮捕し厳重に処罰し、事件の背後関係を徹底究明するB在日朝鮮人、とくには朝鮮学校生徒に対する民族的迫害、暴行、暴言、脅迫、嫌がらせなどの人権侵害行為をやめさせ、その人権を保障する実効的な措置を取る――よう要求した。
柳局長は、在日朝鮮人の人権が暴力で脅かされている事態の深刻さを日本政府当局者が正しく認識すべきだと述べた。尹副委員長は総聯活動家殺害・放火事件は単純な刑事事件ではなく政治的意図を持った計画的テロ行為だと指摘しながら、事件の真相と背後関係が一日も早く究明されなくてはならないと強調した。
また金校長は、通学中に刃物で傷付けられた生徒のランドセルの写真を示しながら被害を受けた生徒、父母らの気持ちを代弁し、白副会長は共和国の人工衛星打ち上げ後、与党内で「在日朝鮮人の資産凍結」などが論議された事実に言及し、こうした言動が民族排他主義を助長する結果をもたらしていると述べた。
鈴木副長官は、特定の政治的状況がもたらされるたびに在日朝鮮人に対する暴行、暴言事件が起きるのは遺憾だと述べ、日本は法治国家であり、法に違反する行為については厳正に対処していくと答えた。