視点
今月24日から来月2日まで、東海(日本海)と南朝鮮を中心に在日米軍、在「韓」米軍、南朝鮮軍が参加する、「朝鮮有事」を想定した大規模軍事演習が繰り広げられる。「有事」か北侵を想定しているのは間違いない。今回の演習では、米第7艦隊の旗艦ブルーリッジが神奈川県・横須賀基地内から直接指揮するという。これは「朝鮮有事の際は、後方支援だけでなく、横須賀が前線の指揮拠点になり得ることを示」(朝日新聞11日付)すものだ。日本も「戦場」になる危険性をはらんでいる。
さらに、演習では戦域ミサイル防衛(TMD)構想実現に向けた訓練も含まれる。
共和国の人工衛星打ち上げ後に、日本が米国との共同研究を決めたことから、TMDがにわかに注目を浴びている。
TMDとは、射程80〜3000キロメートルの弾道ミサイルを2段階で撃墜する構想で、米国が1990年末に正式に発足させた。日本で論議され始めたのは93年から。共和国の「核疑惑」を口実にドイッチェ国防次官(当時)が参加を強く促し、96年4月には日米防衛首脳会談でペリー国防長官(当時)が早期回答を迫っていた。
TMD参加で、日本はより強い形で米国の核戦略の一翼を担うことになる。横須賀が米軍の「前線の指揮拠点」になることとあいまって、共和国を標的にした米日軍事結託が一層危険な段階に進んでいることを示すもので、朝鮮半島と東北アジアの平和を脅かすものだ。(聖)