沖縄でチュチェ思想全国セミナー
「沖縄・日本・アジアの自主に関する全国セミナー」が10日、沖縄県那覇市内のホテルで行われた。主催はチュチェ思想研究会全国連絡会、全国セミナー沖縄県実行委員会。全国各地から日本のチュチェ思想研究者ら120余人が参加し、総聯中央の南昇祐国際局長、総聯沖縄県本部の金秉鉄委員長がそれぞれ来賓として招かれた。沖縄でのセミナー開催は1982年以来2度目。
セミナーではまず、主催者を代表して島袋宗康・参院議員があいさつし、人間の自主性を重んじるチュチェ思想と自主・平和を願う沖縄県民の共通点を指摘しながら、米軍基地の存続に反対して粘り強いたたかいを続けている沖縄でセミナーが開催された意義について強調した。
続いて南国際局長と井上周八・チュチェ思想国際研究所理事長が来賓あいさつした。南局長は、共和国の人工衛星打ち上げで、米国も衛星だと認めているにもかかわらず、日本だけが「ミサイル」と決め付け、朝・日の対立、関係悪化に利用している点などについて指摘した。井上理事長は、沖縄は日本と米国の支配層により米軍基地の存続を押しつけられているが、人間の自主性をめざすチュチェ思想をもっと学んで沖縄の自主・自立・平和を促進させようと呼びかけた。
セミナーでは、チュチェ思想研究会全国連絡会の佐久川政一会長が @経済危機にあえぐ米国と資本主義諸国 A沖縄・日本・アジアの自主と平和のために B自主の時代と金正日総書記の指導 C日朝連帯と国交正常化問題――の体系で基調報告。とくにAでは、沖縄における米軍基地の返還は極東最大である米軍基地の縮小を意味し、その実現は朝鮮半島やアジアの緊張緩和につながり、日本とアジアの信頼関係を回復してアジアと世界の平和にも大きく貢献する第一歩になると指摘した。またCでは、共和国に対する偏見を捨て正しい朝鮮観に基づき日朝関係の平和的、友好的な道を切り開いていこうと語った。
セミナーでは、武者小路公秀・フェリス女学院大学教授が「グローバル覇権下のアジアの自主―人間安全保障の観点から」、鎌倉孝夫・埼玉大教授が「朝鮮半島をめぐるアメリカと日本―朝鮮の自主的平和統一のために」と題して研究報告を行った。
武者小路教授は、アジアの自主性を実現するには金大中「大統領」が今回の訪日で言及しなかった「従軍慰安婦」問題など日本が、過去の問題を正しく解決しなければならないと語った。
鎌倉教授は、米国の朝鮮戦略は最終的には共和国の社会主義体制を崩壊させ、朝鮮統一後も米軍を駐屯させることだと指摘。また日本については過去に対する正しい歴史認識を持って日朝国交正常化を実現し、朝鮮の自主的平和統一にも寄与すべきだと強調した。
石川元平・沖縄県教職員組合委員長が「沖縄における反戦平和のたたかい」と題して活動報告を行った。
また、朝鮮社会科学者協会からの祝賀メッセージが紹介され、金正日総書記に送る手紙が採択された。
総書記推戴1周年、共和国創建50周年で祝賀宴
金正日総書記推戴1周年、共和国創建50周年祝賀宴も同日に催された。
平良研一・沖縄キムジョンイル著作研究会会長(沖縄大教授)が乾杯の音頭をとり、有銘政夫・沖縄軍用地違憲訴訟支援県民共闘会議議長が、共和国を正しく理解し、朝鮮の自主的平和統一に向けて朝鮮人民と共に、力を合わせてまい進していこうと祝辞を述べた。
ほかにも佐久川会長、島袋議員、米盛裕二・沖縄大教授、下地玄栄・同、仲宗根義一・沖縄平和運動センター事務局長、金城睦・弁護士らがそれぞれ祝辞を述べた。