視点
8月21日から9月5日まで開かれた朝米高位級会談により朝米間では各ルートでの対話再開の動きが始まった。その中で「大統領特使派遣」問題も浮上している。
朝日新聞8日付は、米国が共和国の「地下施設」問題の協議と関連して、交渉格上げのためペリー前国防長官ら閣僚級の大統領特使の任命も検討していると報じた。米国が「核施設」と疑惑を提起している対象について共和国は民需用と主張しているが、朝米高位級会談では「今後、協議を通じてこの問題を解決する」ことになった。民需用と判明すれば共和国を中傷冒とくし名誉を傷つけたことへの補償を米国がするとの前提付きだ(共和国外務省スポークスマンの9月10日言明)。
前国務省KEDO調整官のジョエル・ウィット氏は「中級レベルの接触を重ねるよりも、クリントン政権は大統領特使を直接、北朝鮮指導部の高官と対話させるべきだ」と主張していた(朝日新聞1日付)。ガルーチ元朝鮮問題担当大使は、ペリー氏が共和国に派遣されるのはかなり早い時期になるのではとの見方を示している。
特使派遣が実現すれば、94年のカーター元大統領以来の「大物」訪朝となり、行き詰まっている朝米関係を転換させうるきっかけになろう。朝・日間では北京での外務省課長級接触が行われていたが、日本政府は「ミサイル発射」をうんぬんして一方的に接触を断ってしまった。共和国をめぐる米日の温度差がさらに開きそうだ。 (喜)