時事・解説/日本の「ミサイル騒動」
露骨化した対朝鮮敵視政策/軍事大国化への道模索
共和国初の人工衛星「光明星1号」打ち上げと関連して、日本政府はいまだに「ミサイル発射」説に固執している。そして、これを口実にした戦域ミサイル防衛(TMD)システム導入や偵察衛星の保有論議など軍国化への道を探る日本政府、政治家たちの動きが露骨化している。このような日本の動きを共和国はどう見ているのか。労働新聞などの論調をもとにまとめた。
軍事行動の合法化
「ミサイルでも人工衛星でも脅威は同じ」、というのが日本政治家たちの見解だ。最初は衛星をミサイル打ち上げとしていた米国なども、今では衛星の打ち上げだと認めている。しかし日本だけが「ミサイル発射」に固執しながら反共和国キャンペーンを繰り広げているのだ。
日本が「ミサイル」説をいまだに騒ぐ根底には何があるのか。
9月26日発朝鮮中央通信は「この機会に軍国化への道を進もうとする陰険な企図がある」と指摘した。
事実、自民党議員は新ガイドラインの関連法案の必要性を訴え、さらには外交・防衛関係者との合同会議を開いてTMDシステム導入のための「調査研究費」10億円の投入も決めた。また軍事衛星の一つである偵察衛星の導入も声高に叫んでいる。
朝鮮反核平和委員会スポークスマンも9月26日付の声明で、「冷戦の遺物である『米日防衛協力指針』を新たに修正・補充し、われわれに対する敵対的な軍事行動に合法的に加担できる法律的基礎まで整えた日本は、偵察衛星と戦域ミサイル防衛システム導入など、より露骨になる軍事大国化政策が、地域の軍備競争で招く責任を他ならぬわれわれにかぶせるため、このような騒動を起こしていると指摘する。つまり、日本の「ミサイル騒動」は、軍事大国化への道を探るための口実と言えよう。
不当な「制裁措置」
日本政府はまた、共和国の人工衛星打ち上げを「東北アジアの安全の重大な脅威」と位置づけ、同盟国に「共同対応」を要請した。
「朝・日関係が悪化した『責任』は共和国にあると、白黒転倒の奇弁を並べる」(9月26日発朝鮮中央通信)のが狙いだ。
しかし朝・日関係を極度の対決状態に追い込んだのは日本政府自身だ。日本政府が「ミサイル発射」という米国の誤報に踊らされ、国交正常化交渉と対共和国食糧支援の中断、高麗航空機の日本運行中止など不当な「対北制裁措置」を講じたためだ。
事実がこうであるにもかかわらず、日本が朝・日関係悪化の「責任」を共和国に押しつけるのは、「日本外交の軽薄性」を示している。
労働新聞論評は、「われわれはこれまで、日本と国交を正常化しなくても生きてきたし、今後もやって行ける。自尊心と自主性を捨ててまで、絶対に朝・日国交正常化を哀願しない」(9月18日付)と共和国の立場を明確にするとともに、日本当局のこうした態度は「われわれの怒りを増幅させるだけでなく、日本の過去の罪に対する代価を必ず受け取る決意を固めさせた」(9月29日付)と指摘している。
このように、日本政府は共和国の人工衛星を「ミサイル」と決め付け、対朝鮮敵視政策と再侵略、海外膨脹を国策として全面に押し出し、軍事大国化への道を突き進んでいる。
ちなみに共和国外務省は日本の「対北制裁措置」に対処して9月15日、@日本が反共和国敵対行為にしばられるかぎり日本とは絶対に国交を正常化しない A日本が過去の犯罪に対する謝罪と補償をこれ以上回避する場合、それから招かれるすべての結果については日本側が全的に責任を負う B日本の反共和国行為には包括的で強力な自衛的措置で断固対応すると指摘し、日本にいる朝鮮民族に対するいかなる敵対行為も日本当局の反共和国行為と見なすと強調した。