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埼玉日朝友好フェスティバルの会場から


 朝・日友好親善の一助にと1991年から始まり、今年で7回目を迎えた「埼玉日朝友好フェスティバル」。9月25、26の両日にかけて行われたが、初日は強風に見舞われ、2日目には小雨模様とあいにくの天気の中であったにもかかわらず、同胞をはじめ街を行き交う多くの日本市民らが立ち寄り、好評を収めた。(琴)

 

交流通じてもっと身近に

 フェスティバルは、日本人と在日同胞が交流する場を設け、その生活と朝鮮文化の一端に触れることで、共和国をもっと身近に感じてもらおうとの目的で開かれている。

 実行委では毎年、1年前から広告集めなどの準備を始め、同胞をはじめ多くの市民らに協力を呼びかけている。結果、今年は80余万円の賛同金が寄せられ、その一部は埼玉初中に寄付された。

 会場となった鐘塚公園は大通りに面し、横断歩道が交差する目立つ場所に位置しており、気軽に立ち寄れる開放的なスペース。集まった観客らも、スピーカーから流れる朝鮮歌謡につられて、立ち寄ってみたという人がほとんどだった。

 子供を連れて公演を観覧していた日本人女性(浦和市在住)は「日本と共和国の間には、過去の歴史をはじめ、色々と複雑な問題があるが、若い世代が互いに交流を深め、友好関係を築いて行く中で、そういう一つ一つのことを改善していければ」と話していた。

 仕事の途中、たまたま通りかかったという塩見泰夫さん(67、長野県上田市)は「朝鮮の踊りや歌を見るのは今日が初めてだが、とても素晴らしい。今まで朝鮮学校の存在をまったく知らなかったが、生徒らの生き生きとした表情が印象的だ。共和国も在日朝鮮人も、隣国、隣人なのに、もう少し理解し合わなければと思った。そういう意味で、この様な交流はとても大切だ」と語っていた。

 日朝友好連帯埼玉県民会議の蟹江猛事務局長(47)は「多くの日本人はアフリカ問題などには熱心なのに、自分らの『負』の遺産である朝鮮問題には関わりたくない、触れたくないと思っている。また、今回のような『ミサイル騒動』時には、マスコミが必要以上に騒ぎ立て、過剰反応する。そういった日本社会の風潮を『何かおかしい』と、疑問視してもらえればとの思いから毎年続けてきた。今も情勢は厳しいが、こういう時だからこそ民間レベルで交流する場を設けることの大切さを強調したい」と話していた。