98共和国――経済動向/各担当者に聞く(2)石炭
キム・ジョングン石炭工業部副部長
北倉地区炭坑に力を集中/当面目標は1日6万トン
採炭所を1.5倍に
共和国の場合、基幹産業の中でも基本となるのが石炭分野だ。経済的自立を基本方針とする共和国では国内に豊富な石炭燃料を基本動力とする工業を建設した。火力発電も石炭が主だ。
新年の共同社説は、石炭と電力問題の解決を強く求めたが、この2つは密接に関連しており、これらの問題を解決してこそ、農業をはじめ人民経済全般が正常化する。
今年はまず、平安南道・北倉地区にある炭鉱で石炭生産に力を入れる。共同社説では電力問題解決の課題として、北倉火力発電連合企業所をはじめ現存の発電能力を活用することについて指摘した。北倉火力の動力源は北倉地区の炭鉱で採掘する石炭だ。同地区にある3つの炭鉱で石炭生産を増やし、円滑に供給してこそ、北倉火力の安定した発電を保証できる。
そのためには、同地区炭鉱の採炭場の数を、現在の60から最低でも29増やして89にする必要がある。目標は100だが、昨年は増やすことができなかった。この実現のため、国では同地区炭鉱に除隊軍人を数多く派遣して労働力を増強した。人民たちは各種支援物資などを送ってくれる。さらに政務院各委員会・部が協力し、必要な各種資材、設備を優先的に回す対策を立てている。
北倉火力の当面の発電目標は100万キロワット。すでに6日現在で50万キロワットに達しており、3月までに100万キロワット水準に達する目途はついている。こうして早く発電量を増やすとともに、興南青年化学連合企業所、南興肥料連合企業所にも石炭を供給して、電力をフル稼働させて多くの肥料を生産できるようにし、営農準備を保証したい。
坑木自給体制も整う
石炭生産を全国的に1日8〜10万トンに上げることが、金正日総書記の意図であり、これさえクリアすれば、経済問題は基本的に解決されよう。当面して今年は1日6万トンを目標に定め、ひとつひとつ対策を立てながらこれを必ず実現したい。
元来、共和国には石炭が豊富に埋蔵されている。熱量6000〜6500カロリーの無煙炭が豊富で、選炭さえしっかりすれば、質も問題ない。
埋蔵量の多い西部の北倉地区、价川地区(いずれも平安南道)、ほかに平安北道、東部の咸興地区(咸鏡南道)、北部の咸鏡南・北道一帯、また開城市でも採掘している。引き続き探査活動も行っている。
また石炭生産で基本問題は坑の掘進。全国的に坑の数は640〜670の水準が求められている。だが、現在540で、まだ100足りない。これを増やしていく。掘進するうえで不可欠な坑木用の材木は、最近は国内産の材木ですべてまかなっている。以前は旧ソ連から多く輸入していたが、ソ連崩壊後、一時的に困難を経た。そのため、山林資源の豊富な両江道林業総局をはじめ慈江道、平安南・北道の各林業管理局と連携し、国内で保証できるように態勢を整えた。
新年は2日からすべての幹部たちが各地の炭坑に出向き、坑内に入って労働者とともに汗を流した。私も平安南道の江東炭鉱連合企業所に行き、坑内に入った。支援物資として坑木用の材木なども持っていったが、現場の労働者の意欲はとても高かった。
現場の労働者たちの意欲の高さに比べ、過去、われわれ活動家がしっかり政策を推進できなかった面がある。私たち自身が頑張らなければ、誰も助けてくれる人はいない。だから自力更生の精神が求められるのだ。すべての経済は石炭から始まるという総書記の意図に従い、石炭工業の担当者としての誇りを胸に、石炭問題解決のために全力を尽くしたい。