「在日同胞の民族性を守るための会議」呼びかけ文
「在日同胞の民族性を守るための会議」(22日、東京)で採択された、在日同胞におくる呼びかけ文の内容は次のとおり。(見出しは編集部)
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理念と所属を越え
今日、私たちは、民族の魂を守ろうとの一念の下、理念と政見、信仰と団体所属を越え、「在日同胞の民族性を守るための会議」の場に集い、真摯に話し合った。私たちは、心を込めて同胞に呼びかける。
人は皆、民族の構成員として生まれ、民族と運命をともにしながら祖国の歴史を紡いで行く。
民族は歴史的に形成された最も包括的な社会生活単位であり、人々の最も強固な運命共同体だ。民族の自主精神は、民族の本性であり、民族の生命と言える。
民族を離れた個人の存在は有り得ず、民族の自主精神なくして子孫の繁栄を論じることはできない。
人類史上、すべての国は民族を単位として形成され、国際情勢が激変する今日、民族の自主権を守る運動は、歴史の大きな流れとなっている。
誇り高く勇敢な民族
我が民族は、美しい国土で一つの血筋を綿々と受け継ぎながら、同じ言葉を話し、睦まじく生きてきた団結心の強い民族だ。5000年の悠久な歴史と輝かしい文化を創造し、外国の侵略を退けてきた誇り高く勇敢な民族だ。
誇り高い倍達民族の後裔として、在日同胞は1世紀にわたる民族抹殺政策にも少しも揺らがなかった。
私たちが今日まで、在日同胞社会で民族の魂を守ってこれたのは、多くの同胞子女に民族教育を行い、民族の文化と美風良俗を伝えてきたからである。
「参政権運動」に反対
しかし、祖国解放から50余年の歳月を経た今、私たちの周りにある現実には、胸が痛む。
国土と民族の分裂、日本の社会環境の影響と急激な世代交代の結果として、民族意識、民族的特性が次第に薄れている。
朝鮮の言葉と文字を知らない人、国際結婚する若者、帰化する同胞が急激に増えている。
これは決して、偶然の成り行きではない。日本当局は在日同胞問題を自国への帰化と同化、吸収方式で解決しようと、終始一貫、民族抹殺政策と同化政策を続けている。
また同胞社会の一角では「同化は歴史的運命」だとか、「 模範的な日本市民 にならねばならない」としながら、日帝植民地統治時代の「皇民化運動」を彷彿させる「参政権獲得運動」がくり広げられている。
いったい「参政権運動」が、在日同胞が民族性を守って生きて行く正しい道なのか、もしくは同化と帰化を加速させ災難をもたらすものなのかを、熟慮しなければならない。
今日の日本社会の風潮を見ても、世代交代の深刻な状況からいっても、私たちは「参政権獲得運動」を反対せざるを得ない。
一刻の猶予もない
在日同胞の民族性を守ることは、一刻の猶予もならない課題となっている。
在日同胞社会で民族性を守ることは、民族自主精神を持って倍達民族として堂々と生きるのか、もしくは民族抹殺政策の犠牲になるのかという、在日同胞の運命を左右する根本問題であり、愛国愛族運動の興亡盛衰を分ける死活的問題だ。今こそ、民族の将来を心から憂える人々が、力と知恵を合わせる時である。
言語の共通性は民族の重要な印である。だれもが美しく豊かなわが民族の言葉と文字を身に付け、いついかなる時にも使うようにしよう。
民族教育は民族の人材を育てる100年の計だ。民族教育の場を通じ、より多くの同胞子女の間で民族の心を育むことで、同胞社会の代、民族の代をつないでいこう。
民族文化は民族の歴史と伝統、風習と生活感情を反映した物質・精神文化だ。民族的感情を表す民謡と民族舞踊、民俗遊戯を広く普及し、民族固有の美風良俗を花咲かせ、民族史に対する知識を深めよう。
民族の血統をつなぐために、1組でも多くの民族同士の結婚が成就されるよう頑張ろう。
同時に、民族性をなくすいかなる動向にも徹底して反対しよう。
統一された祖国で暮らすその日のために、同胞たちの民族的団結と和睦をいっそう固くし、同胞社会に民族の魂が力強く脈を打ち、民族を称える愛国愛族の歌を高らかに響かせよう。