アンニョンハセヨ!平壌から/国家科学院・都市経営科学研究所研究員 尹文植(59)
国家科学院・都市経営科学研究所の研究士、尹文植さん(59)はこのほど、芝の品種を改良し、強い弾力性を持ちながらも2〜5センチしか育たないという特長を持つ新種を作り出すことに成功した。
「管理に余分な手間を掛けなくても、美しく育つ芝があれば…」。このような思いから育種に没頭してきた尹さん。新種はとりあえず「錦繍山1号」と命名された。
尹さんは建設大学建築学部造園科を卒業後、街路樹や観賞用植物の研究に携わってきた。芝の研究を始めたのは12年前だ。「共和国には当時、成川芝しかなかった。しかし、成川芝は30センチまで育ってしまうため、管理が大変。そこで、成川芝に高麗芝という別の種を掛け合わせる育種を試みたのです」。
8年間の研究の末、誕生した新種は1994年に「平壌1号」と命名された。「平壌1号」は丈が10〜15センチと低く、葉幅は狭いが柔らかく、色も濃い。その改良型が「錦繍山1号」だ。
「ゴルフ場や庭園などに植えれば管理が楽で済む」と尹さんは語る。ゴルフ場の場合、グリーンは年に200回、フェアウェイは50回近くも芝刈りを行うというが、長くても5センチで伸びが止まる「錦繍山1号」なら、芝刈りの回数はその1割以下で済み、管理の手間も費用も大幅に節約できるというわけだ。
「3月にスイスのジュネーブで催される世界発明展示会に出品します。世界的な評価を得て、外国にも普及させたいですね」。尹さんの夢は膨らむ。(羅)