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日朝の音楽家、東京でコンサート/阪神・淡路大震災 被災者のことを忘れないで


 被災者を支援しようと、日朝の音楽家による「阪神・淡路大震災こだわりコンサート」が17日、東京・武蔵野市の武蔵野スイングホールで行われた。

 在日朝鮮人人権セミナーの呼びかけにより、震災の年から行われているもので、これが4回目。今回は、ともに被災地・神戸市出身の近藤日佐子(ソプラノ)、柳展鉉(金剛山歌劇団、バリトン)、盧相鉉(朝鮮大学校、ピアノ)の各氏が出演した。

 3人は、震災での自らの親族の被災体験、朝・日の人々の助け合い、深い傷跡が残る被災地の現状に関する話を織り混ぜながら、同胞作曲家の崔賢氏とルポライターの西野留美子氏が復興の願いを込めて作った歌「鳥よ(希望よ)」(近藤氏)や、共和国の歌「鳳仙花」(柳氏)などを歌った。柳氏は、自身が作曲し、祖国の作詞家、李成哲氏が詞を書いた「統一の鳥」を、この日初めて披露した。

 コンサートではまた、被災者への公的支援実現を求めて活動しているグループのメンバーと、被災者らが舞台に上がり発言。神戸市内の仮設住宅で暮らしている在日同胞の玄美善さん(51)は、「仮設住宅では今も、夏の暑さや冬の寒さ、さらには孤独や絶望に苦しんだ末に亡くなるお年寄りがいる。東京にいても、そういう現実を忘れないで」と訴えた。

 会場では、被災した民族学校や仮設住宅の被災者支援のための、チャリティーグッズの販売も行われた。