アンニョンハセヨ!平壌から/15歳の天才少年ドラマー ウ・ヨングァン君(15)
今年の平壌市学生少年たちの迎春公演(昨年12月31日公演)で一番の人気者だったのは、この15歳のドラマーだ。
迎春公演に出演した在日同胞学生たちにも大人気で、機会あるごとに記念撮影を求められていた。
ドラムのために作られた軽音楽「ジョンイル峰の雷鳴」で見せた、大人顔負けの華麗なスティックさばき、パワーとスピード溢れる演奏には、誰もが度肝を抜かれる。
以前、平壌学生少年芸術団の一員として公演に訪れたマレーシアでは「1秒間に70回叩く天才少年」と新聞で紹介された。しかし、そんな舞台上のイメージとは違い、素顔は小柄で優しそうな少年だ。
「万景台学生少年宮殿でドラムを見てかっこいいなあと気に入って」、ドラムを始めたのは93年2月。それから1年も絶たずに94年の迎春公演に出演、高い実力を発揮して金日成主席に高く評価された。
練習は学校を終えた後、宮殿で午後2時半〜6時半まで毎日4時間。「コツは、肩から腕、手首の力を抜いて、柔らかく自然に叩くこと。そのためにリズム体操やダンスもやる。コツさえつかめばできる」と、いとも簡単に話すが、コツをつかめるのもやはり才能だろう。
「練習すればするほど、奥が深くておもしろい。軽音楽でドラムは指揮者役。全体のアンサンブルを考えるのが難しい」
世界的な演奏家に、という周囲の期待は大きい。
しかし、「まだ将来のことは決めていない。勉強を頑張って違う仕事につくかもしれないし…」と素直に戸惑いを見せる姿は、普通の15歳の少年だった。(東)