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ここが知りたいQ&A/南で問題の整理解雇制について


労働者への責任転嫁、失業者200万人へ

労組は猛反発「当局者処罰、財閥解体が先」

  南朝鮮現・次期「政権」の整理解雇制導入構想に対し反対の声が強まっているが。

  2大労組の全国民主労働組合総連盟(民主労総)と「韓国労働組合総連盟」(「韓国労総」)が揃って断固阻止の構えを見せている。民主労総は立法化強行の際にはゼネストに突入する方針を打ち出し、12日には労組員200人が野党・国民会議党舎前で抗議集会を開いたほか、幹部30人が無期限デモに突入した。また17日には南朝鮮全域で1000人規模の集会を開いた。「韓国労総」も断固たたかうと宣言。13日には現代自動車労組が闘争に加わる決議を採択した。

  問題の整理解雇制とは何か。

  企業が「経営上の都合」による従業員解雇を容易に行えるようにするもので、経営悪化の場合だけでなく、技術革新や業種転換といった理由も「経営上の都合」と認定している。導入された場合、失業率は2.9%(11月現在)から大幅アップ、失業者も200万人に達すると見られる。

  導入は1999年3月まで見送られるはずだったのでは。

  96年12月、当時の与党「新韓国党」総裁の金泳三が不況対策の名目で抜き打ち採択させた労働法改悪案に整理解雇制が含まれていた。しかし、民主労総など210労組、24万人の労働者が連日大規模な反対闘争を繰り広げ、国際世論の激しい批判も浴び、実施を99年3月まで先延ばししていた。次期「大統領」の金大中は当時、国民会議総裁として労組側に立ち、導入反対を訴えたが、今回は一転して導入推進を呼びかけており、労組の反感を買っている。

  今回、労組側が指摘する問題点とは。

  当局側は「導入は金融危機克服のためやむを得ない」と言うが、そもそも金融危機の根本的原因は財閥経営の構造的矛盾とそれを正さなかった現当局の失政にある。財閥のタコ足・借金経営が行き詰まり、経済基盤の脆さを露呈したうえ、当局の無分別な外貨借入、過剰投資が多額の負債を生み、外貨不足から国際通貨基金(IMF)の融資を受ける結果となった。これらの事実にもかかわらず、責任を労働者に押し付ける無責任な姿勢に、労組側は怒りを爆発させている。民主労総も、強制解雇ではなく責任者の処罰と財閥解体こそが解決の方途であり、雇用対策すら不十分なまま労働者に責任転嫁することに反対。「賃金削減や雇用不安で苦痛を受ける労働者の負担を増やすだけだ」と強調している。

  「労使政委員会」という団体も新たに発足したが。

  同委員会は15日に発足した金融危機克服の対策協議機関で、労働界、企業、政府・政党の代表16人で構成される。整理解雇制導入の問題が協議内容に含まれているが、労組側は「協議前から導入が既成事実化されている」と反対し、委員会への参加拒否を示唆していた。当局側が「労組の説得が先」として臨時「国会」での可決を見送ったことで何とか発足にこぎつけたが、今後、労使間の衝突は十分予想される。IMFの融資スタート後も金融情勢は刻一刻と悪化しており、「金持ちは笑い、金のない庶民だけが泣く」(東亜日報14日付)状況は一層深刻化している。