視点
大学入試センター試験が17〜18日に行われるが、朝鮮高校生は受験出来ない。文部省の差別行政があるからだ。
このため昨年10月、東京、兵庫などの朝鮮高校生徒ら10人が、入学希望の阪大、京大など9国立大に「出願資格認定申請書」を送付した。国立大受験のためには大学入試センター試験を受けねばならず、朝高生の場合、願書とともに受験先の国立大学長発行の認定書を提出しなければならないからだ。これまでは大検合格か通信制日本高校卒業資格で国立大受験をしていたが、「朝高生」の資格で正面から国立大受験資格を要求したのは初めて。
各国立大は10月21日(センター試験出願締切日)までに「各種学校なので受験資格は認められない」と各生徒に回答したが、「申請を受けた各大学が自ら具体的に検討するきっかけになった」(田中宏・一橋大教授)。
朝鮮学校で学んでも国立大に合格出来る実力は養える。昨年末に結成された「民族学校出身者の受験資格を求める阪大連絡協議会」代表の文鐘聲さん(阪大医学部1年)は大阪朝高出身。「京大連絡協議会」代表だった金海永さんは神戸朝高出身で、現在東大大学院で研究している。
昨年、各地で行われた朝鮮学校処遇改善運動には140余万人の署名が集まり、国立大教授の間でも認定を求める動きが広がっている。民族教育の権利擁護のためにも朝高卒業生の国立大受験資格認定はぜひ実現させる必要があろう。(喜)