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共同社説に見る’98共和国の展望(中)経済

食糧問題解決し生活向上へ


 共和国における今年の経済建設は、最大限に力を注ぐべき主な戦線である。

 共和国は昨年、どのような「試練」の中で「苦難の行軍」の峠をどう「克服」し、今年の「強行軍」を推進しようとしているのか。

 

農業で前進の土台

 共同社説では、ここ数年続いた「苦難の行軍」において、昨年、「行軍」の峠を克服し、新たな前進と飛躍の突破口を開いたと指摘した。

 とりわけ昨年の共同社説で中心課題として掲げた食糧問題は、農業生産で「新たな前進の土台を築く」(共同社説)ことができた。

 技術面では、同じ耕地で作物を年2回作る2毛作を拡大した。在日同胞の協力により導入された複合微生物肥料によって地力の強化にも役立った。一方、分組管理制の導入によって農民の生産意欲を高めることもでき、人民軍兵士も春の田植えから秋の収穫時まで農業に動員され農民を助けた。

 エネルギー問題では、中小規模発電所建設が昨年約500ヵ所で着工し、すでに完成したのを含めると約300に達した。また洪水により浸水していた炭鉱の復旧が進み火力発電の能力拡大につながった。

 また国土管理問題では、1万1000余キロメートルの堤防を築き水害の復旧と対策を急ぐ一方で、全国各地に7億5000万本の木を植えたほか、国家全般で約1万5600キロメートルの道路を新設して流通の便宜を図った。

 

石炭、電力の増産を

 今年の共同社説の基本精神は、最後の勝利を目指す強行軍を継続して推し進めることにあり、その目的は経済問題を決定的に解決して人民生活を向上させることにある(労働新聞8日付社説)。それは、依然として共和国の前には大きな経済的難関が立ちはだかっていることを意味し、自力で解決しようとの意気込みを示している。

 共同社説では、農業問題の解決と同時に、エネルギー部門と関連する石炭工業と電力工業の生産を高め、それらの輸送手段として鉄道運輸を正常化させ、また金属の増産によって機械生産を急がなければならないと強調。つまり、社会主義計画経済を推進するための土台を築こうというのが、今年の課題なのだ。

 農業戦線は、社会主義経済建設の「1211高地」である(共同社説)。1211高地とは、朝鮮戦争時、共和国の前線東部に位置し、ここを死守することが戦争の勝敗を左右した高地で、朝鮮人民は革命的戦闘精神でこの高地を守り、朝鮮戦争を勝利へと導く契機を開いた。当時この高地を死守したのと同様、こんにちの農業問題が解決すれば勝利する展望が開かれるということだ。具体的には、農民の意思と自己の実情に合わせてチュチェ農法を実践して、気候風土にあった新たな種子の品種改良を行うとともに、2毛作を推進することだ。

 電力部門では、北倉火力発電連合企業所など現存の発電能力を最大限効果的に利用し、中小規模発電所をさらに建設しなければならない。一方、原油問題について共和国では、西朝鮮湾盆地に推定50億〜400億バーレルの原油があると試算、外国企業との提携に力を入れており、今年は外国で説明会を開く予定だ。

 鉄道運輸部門と金属工業部門でもさらに水準を高めることが、肥料輸送の円満化と機械化にもつながる。

 同時に、軽工業第1主義方針貫徹に引き続き力を注ぎ、地方産業の活性化とリサイクル品である「8月3日一般消費材」生産の増産が必要だ。

 一方、羅津―先鋒自由経済貿易地帯開発が進む一方で、昨年に正式発表された南浦及び元山の保税加工輸出地帯の開発も進められ、貿易の拡大、貿易第1主義方針の遂行へとつながる。

 社会主義計画経済を遂行するための土台が確固と築かれれば、「経済が活性化され、社会主義の優越性が全面的に高く発揚」(共同社説)されよう。