共同社説に見る’98共和国の展望(上)政治
社会主義固守し強化発展
労働新聞、朝鮮人民軍の両紙1日付は、共同社説、「偉大な党の指導のもとに新年の総進軍を早めよう」を掲載。昨年、朝鮮革命の転換的局面を整えたと指摘し、金正日総書記推戴後初めてで、建国50周年を迎える今年を「朝鮮式社会主義の決定的勝利を達成する誇らしいたたかいの年、新しい飛躍の年」と位置付けた。政治、経済、統一問題の展望を共同社説から探る。(基)
「苦難の行軍」峠克服
共和国は昨年の共同社説で「苦難の行軍」の収束を呼びかけた。今年の共同社説では、「行軍」を収束するとの指摘はなかったものの、「行軍」の「峠を克服」したと指摘。抗日パルチザン時期(30年代後半)と朝鮮戦争後の復興時期(50年代)の過去2回にわたる「苦難の行軍」の後には必ず勝利が訪れたが、今回、峠を越えたということは、新たな前進と飛躍の突破口を開いたことを意味しよう。
それはどのような意味なのか。ここ数年続いた「行軍」は共和国にとって、真に困難な試練であった。
共和国抹殺を狙う帝国主義勢力の軍事的圧力がいっそう増す中で、防衛力にも力を注がなければならず、経済的にも朝鮮戦争以来の資本主義諸国による経済封鎖、89年後のソ連、東欧の社会主義崩壊に伴う社会主義市場の消滅、94年以来の3年続きの自然災害に加え昨年は旱ばつと高潮などの被害があった。
また、昨年7月8日には金日成主席逝去3周年を迎え、喪が明けた後、共和国では、主席が誕生した1912年を元年とするチュチェ年号と太陽節(主席の誕生日の4月15日)を制定、朝鮮の解放と社会主義建設、祖国統一に全生涯を捧げた主席の業績を永遠に輝かせる事業を完了した。そして、10月8日には全党、全軍、全民の総意によって金正日朝鮮労働党総書記を公式に推戴した。
一方、米国、日本との関係改善も総書記の指導により大きな前進があった。昨年8月の軽水炉着工など朝米基本合意文の順調な履行と朝米準高官会談の定例化、日本の連立3与党代表団の訪朝と朝・日国交正常化交渉の再開合意、在朝日本人女性配偶者の故郷訪問など、朝米、朝・日とも改善を示す顕著な動きがあった。
このように情勢が好転した背景には総書記の「老熟で洗練された指導」(共同社説)があった。総書記は昨年、61回にわたって軍部隊や経済分野に関する現地視察などを行った。うち軍関連の動向は全体の約60%を占め、とくに最前線一帯の防御前線などの視察が多かった。これは敵の侵略、挑発策動から祖国と民族を守り、社会主義を擁護、固守していく強い意志を示したものだ。
このように逆境を順境に転換させたことが、新たな前進と飛躍の突破口を切り開いたと言える。
建国50年を大祝典で
今年は「朝鮮式社会主義の決定的勝利を達成するためのたたかいの年、新しい飛躍の年」である。
労働新聞8日付社説は、今年の共同社説の基本精神は「最後の勝利のための強行軍を継続」することにあると指摘した。今年の強行軍は、社会主義経済建設で新しい飛躍を達成するための進軍であり、その目的は経済問題を決定的に解決して人民生活を向上させることと、社会主義経済建設で一大転換の年に輝かせることである。
一方、昨年の総書記推戴に続いて、共和国では今年、金正日総書記の国家主席推戴も予想される。
また、9月9日には建国50周年を迎える。共同社説は「共和国創建50周年を社会主義勝利者の大祝典として輝かせよう」とのスローガンを明示したが、共和国では今年の建国記念日を目標に昨年秋から、平壌で1万余世帯の住宅街などの建設に着手している。
主席が創建した社会主義祖国を守り、強化発展させることが今年の大きな課題であり、それが社会主義勝利の飛躍に結び付くのだ。