金正日書記の8月4日労作 統一遺訓実現へ(3)

進路/民族自主、平和、連邦制で


時代の要求に即して

 金正日書記は8月4日に発表した労作「偉大な領袖金日成同志の祖国統一遺訓を徹底的に貫徹しよう」で、 @主体性と民族性を堅持して民族自主の原則で民族が団結して民族の主体的力量を築き A武力行使に頼らず平和的方法で Bスムーズに解決する最も合理的な方途である連邦制方式で――今後、統一問題を解決すべきだと強調した。

 この指針は、分断から半世紀以上が過ぎた今、民族自主と平和を求める動きが世界的な趨勢となりつつある時代の要求に則して、主席の示した祖国統一3大憲章に沿って、祖国統一を実現するための進路を明らかにしたものだ。

 統一の当事者は朝鮮民族自身である。祖国愛と民族愛を民族大団結の思想的基礎とし、思想と理念、制度の違いよりも民族共同の利益を重んじる原則で、団結することが重要だ。

 また、平和統一は共和国の党と政府の一貫した原則的路線 だ。書記は、朝鮮半島で平和を保障するため朝米間で平和協定を締結して新たな平和保障システムを樹立し、南北不可侵に関する合意を再確認して徹底的に履行する必要性について指摘したが、これは、統一への道を妨げる障害物を取り除き、統一の新たな転換的局面を開くための現実的な指針だ。

 さらに、南北の思想と制度が異なる現状のもとで、平和的かつ合理的に統一する唯一の方途が、1民族、1国家、2制度、2政府に基づく連邦制であることは、現在、南北、海外を問わず統一を望む同胞の間でコンセンサスとなっている。

南北関係の改善へ

 8月4日労作はまた、南北関係を改善し、民族的和解と団結、祖国統一の転換的局面を開くための具体的な実践行動綱領でもある。南朝鮮当局はもちろん、関係国である米、日両国に対して関係改善に向けたきわめて具体的な呼びかけを行い、統一に向けた平和的な環境作りを進めていけるようにした。

 主席の逝去後、弔意を示すどころか「吸収統一」を図った対北強硬策へと転じ、民族よりも外勢に依存した金泳三によって、南北関係は今も最悪の状況に陥ったままだ。しかし、南朝鮮では12月に「大統領」選挙が行われ、来年2月には新たな「大統領」が就任する。

 書記は、南朝鮮当局者に対し、 @民族自主の立場に立ち、同族と協力して祖国と民族の運命を開拓 A反共和国対決政策を連北和解政策に改めて南北間の政治、軍事的対決状態を解消 B「国家保安法」を撤廃して南朝鮮社会の民主化を実現――するよう促した。書記は、彼らが実際の行動で肯定的な変化を示せばいつでも会って話し合うと強調したが、これは、「過去に民族の前に過ちを犯してもそれを反省し、新たに出発しようという人ならば、それが誰であろうが関係なく、民族的和解と団結、統一の道へ導く」書記の包容力と大勇断の具体的表現であり、「南北関係改善においてとくに重要な意義を持つ」(労働新聞8月21日付社説)。

 一方、米国に対し、朝鮮問題に直接的な責任のある当事者として、米国が署名した朝鮮停戦協定や朝米基本合意文などを誠実に履行すべきだと指摘。時代錯誤的な対朝鮮政策を根本的に転換し、朝鮮の自主的平和統一を妨害すべきではないとしながら、「われわれは米国を100年の宿敵とみなそうとはしておらず、朝米関係が正常化することを望んでいる」と強調した。

 さらに日本に対しても、過去を心から反省して対共和国敵視政策を捨て、朝鮮の分裂を助長する行動をすべきではないと指摘。そうすれば、非正常な状態の朝・日関係も改善されるだろうと強調した。(東、おわり)

高麗民主連邦共和国創立法案

 北と南が互いに相手側に現存する思想と制度を容認する基礎のうえで、双方が同等に参加する民族統一政府を設け、そのもとで同等の権限と義務を担い、それぞれ地域自治制を実施する連邦共和国を創立して祖国を統一しようという内容。1980年10月10日、金日成主席が朝鮮労働党第6回大会で行った党中央委員会の活動報告で提示した。

 ひとことで言うと、「1つの民族、1つの国家、2つの制度、2つの政府」に基づく連邦制方式による、合理的かつ現実的な統一形態を明らかにした方案だ。連邦国家創立と関連した諸問題も全面的に明らかにされている。

 金正日書記は8月4日労作で、同方案は、統一国家の全貌とその実現方途を明らかにした設計図であり、同方案には、国の統一を北と南の思想と制度をそのまま容認する基礎のうえで最も公正でスムーズに実現できる基本方途が示されていると指摘した。