総聯中央委員会第17期第4回会議での許宗萬責任副議長の報告(要旨)

「在日同胞社会で民族性を守り、生活と権利を擁護する運動を力強く繰り広げ、主体的な愛国力量をさらに拡大強化するために」


 総聯中央委員会第17期第4回会議で総聯中央の許宗萬責任副議長が行った報告「在日同胞社会で民族性を守り、生活と権利を擁護する運動を力強く繰り広げ、主体的な愛国力量をさらに拡大強化するために」の要旨は次のとおり。(中見出しは編集部)

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 在日同胞は祖国の人民とともに金日成主席の逝去3周年を敬虔な思いで厳粛に挙行した。

 われわれの前には、主席の愛国遺産である総聯を金正日書記の指導のもとにさらに強化し、民族的愛国運動を新たな高い段階に発展させ、在日同胞と次代の幸せと、祖国の統一と繁栄のために代を継いで最後まで寄与していくことが提起されている。

 今会議の目的は歴史的書簡を貫徹する道で、とくに中央委員会第17期第3回会議拡大会議決定を執行する過程で築いた成果と経験を強固にし、在日同胞社会で民族性を守り生活と権利を擁護する運動を力強く繰り広げ、すべての勝利の担保である主体的な愛国力量をさらに拡大強化するための対策を講じることにある。

3ヶ月運動の成果と経験

 5月から繰り広げた「同胞訪問、奉仕、団結 3ヵ月運動」は、歴史的書簡を貫徹し、新しい世代をはじめ広範な同胞を愛国力量として結集させる活動で新たな突破口を開くための運動であり、絶頂に達した内外反動の反共和国、反総聯策動を打ち破り、祖国と総聯を固守し輝かせるための運動だった。

 われわれは3ヵ月間に、何よりも活動家らが同胞の中に深く入って同胞に服務するのが総聯の本来の使命であり、同胞はこの使命を果たしてくれることをいつになく切実に期待しているということを現実の中で体得した。

 われわれは今回の運動で、総聯の威力の源泉は同胞の中に入り、支持を受け信頼されることにあるといった書記の教えを深く胸に刻み、総聯を、新しい世代をはじめ広範な同胞の中に深く幅広く根を下ろし、同胞生活に密着した大衆的同胞組織へと転換することを中心課題に打ち出した。

 そして中央から分会に至るまで団体、事業体など、すべての組織、すべての活動家が同胞の中に入り同胞とともに生活し活動することを根本的な原則とした。

 そしてすべての専従活動家はもちろん、1万人を超える非専従活動家らが3ヵ月の短期間に、すべての総聯会員宅と、数万世帯に上る民団、未組織同胞と日本国籍の同胞を訪問。その声に真剣に耳を傾け、同胞の心の中と生活実態を深く知っただけでなく、彼らと談話し解説する過程で、総聯活動の知恵と妙案を新たに見つけられた。

 また今回の運動を通じて同胞生活と愛国活動の基本単位である支部の役割が高まり、分会と地域単位の団体が活性化し、同胞との活動の幅がさらに広がった。

 われわれは今回の運動で、各界各層の同胞が民族愛と同胞愛で団結しともに暮らす同胞地域社会を築いていくことを提起し、基層組織である支部が同胞地域社会で総合的拠点としての役割を高めることに大きな力を注いだ。

 そのために中央と本部、団体の活動家らは自身が居住する支部と分会で、同胞の中に入る集中活動期間を設定し、支部活動家とともに同胞地域社会に責任を負う覚悟で、分担と役職を受けて活動した。

 そして支部委員長をはじめ支部活動家と分会、中央と本部、団体の活動家らが皆で知恵を集め、地域の現状に合った活動を創案し、展開していく過程で、支部と分会が創造的な雰囲気で熱気を帯びるようになり、活動家同士や活動家と分会の核心らとの間で、互いに敬い学び、団結する気風が高まった。

 そして支部を拠点に同胞地域社会が活気を帯びるようになり、総聯の愛国的同胞の結束がさらに強まっただけでなく、多くの民団同胞と未組織同胞がわれわれの活動を支持し、新たに探し出された同胞も総聯と各団体組織に網羅された。

 われわれはこの3ヵ月間、とくに同胞に愛国の信念を与え、民族の尊厳を守る運動を同胞の熱意と団結した力で高揚させた。

 この間、内外反動の反共和国、反総聯謀略宣伝と破壊策動がかつてなく酷かったが、われわれはそれを力強い政治宣伝活動で打ち破り、同胞の中に愛国の信念をさらに確固たるものにした。

 愛国の1世はもちろん、総聯と民族教育の懐で育った若い世代も、主席が築き書記が守っている祖国と総聯がどれほど大切か、情勢がどんなに複雑でも書記について行こうという決心と、書記がいれば必ず勝利するという信念を持った。

 祖国の人民と心も息づかいもともにしようという熱い愛国心は、商工人と女性たち、朝青員らをはじめ多くの同胞が行った複合微生物肥料工場建設事業、愛国米を送る運動と「オモニサラン運動」をはじめ、水害で被災した祖国の人民を支援する活動に表れていた。

 愛国の1世が血と汗で築いた民族教育を受け継ぎ、さらに発展させようとの決意のもと、厳しい経済状況の中で、若い商工人をはじめ新しい世代の広範な同胞が膨大な予算の朝鮮学校の新校舎建設活動に捧げた愛国心は、世界に類を見ない高貴なものだった。

 同胞らは、金泳三一派の指示のもとで民団中央が騒いでいる反民族的、反同胞的な「参政権」策動を叫弾、粉砕するための運動に立ち上がり、団結した力で民族的尊厳と権益を固守し、広範な日本の人々との親善を強化する運動をさらに発展させた。

 活動家と同胞が抱いた愛国の信念と団結力、新しい世代をはじめ広範な同胞の中に幅を広げていく組織、新たな高揚を見せる大衆的な愛国運動。これらは書記の歴史的書簡の正当性と生活力を大きく誇示すると同時に、総聯と在日朝鮮人運動を時代の要求に合わせて発展させる強固な柱、土台になっていく成果である。

 またこれらが、かつてない反共和国、反総聯策動を打ち破るたたかいの中で築かれたゆえに、いっそう貴重なものである。

 祖国の隆盛繁栄と統一偉業を成就させる民族史の新たな段階の要求に沿って、在日朝鮮人運動を強化発展させるうえで提起される根本問題は、在日同胞を頼もしい主体的愛国力量として一層固めることにある。

 そのうえで切実な課題は、同胞社会での民族性固守と生活と権利の擁護にある。

民族性守る社会的運動を

 われわれは第1に、同胞社会で民族性を守ることを在日朝鮮人運動の存亡を左右し、未来を保証する重大な問題とみなし、民族性を守るための在日同胞の社会的運動を力強く繰り広げていかねばならない。

 国と民族は人々が生きる場であり、運命開拓の基本単位であり、個人の運命と民族の運命は密接に結合している。

 国と民族の運命はすなわち個人の運命であり、誰であれ国と民族を離れては真の生きがい、幸福を手にできないということは、在日同胞が日帝時代から今日に至る異国での曲折に満ちた生活経験で体得した祖国観、民族観であり、まさにこれが、在日朝鮮人運動の原点であり出発点である。

 愛国愛族の信念があったからこそ、われわれは40余年前に民族虚無主義者が在日朝鮮人運動を存亡の危機に追いやった時も、主体性と民族性を貫いて総聯を結成できたのであり、内外反動の策動をそのつど粉砕しながら、世界の海外僑胞運動の先駆者としての模範をうち立てられた。

 祖国解放から半世紀が過ぎた今も、異国で生まれ育った3、4世たちが朝鮮語を学び、民族的情緒を身に付け、堂々たる民族人材として同胞社会の主人公として育っている厳然たる事実は、民族的運動、愛国的運動としての総聯事業がいかに正当であるかを生き生きと示している。

 こんにち、在日同胞の民族性を守る問題をもっとも重大で切実な課題として提起するのは、日ごとに悪らつになる内外反動の民族性抹殺策動と同胞社会の実態が、在日同胞の生命である民族性を深刻に脅かし在日朝鮮人運動の前途に大きな難関を作り出していることと関連している。

 南朝鮮の歴代ファッショ政権の在日同胞に対する棄民政策と日本当局の同化政策のために、在日同胞社会での世代交代は一般的な年齢上の交代ではなく、思想意識と生活風潮での変化をもたらした。

 総聯の影響外にいる若い世代の中では民族性がだんだん薄まっており、それは年々、日本人に帰化する数が増え、同胞同士で結婚する数が減っているという深刻な事態に表れている。

 在日同胞社会で年々、悠久な歴史と輝かしい文化を持つわが民族の仲間が大幅に減って行く胸の痛む現実を前に、ただただ悲観し看過するならば、どうしてわれわれが愛国愛族運動をしていると自負することができようか。

 同胞がいてこそ在日朝鮮人運動があり、同胞社会で民族性が受け継がれてこそ、愛国愛族の代も続くのだ。

 しかしこの半世紀、南朝鮮の売国勢力に従い祖国統一を妨げ、われわれの愛国運動を妨害してきた民団中央はここ最近に至り、総聯をつぶすことが民団の目的であるなどと言ってはばからず、同胞らを同化、帰化へと追いやる反民族的な「参政権」策動を「活動の中心」に据え、同胞らの民族性を抹殺する策動を一層悪らつに強行している。

 こうした状況のもとで、民族性固守の旗をより高く掲げ、民団をはじめとする事大売国勢力の反民族的策動を断固粉砕し、同胞らの民族性を守らなければ、次代に癒し難い後遺症を残すことになろう。

 われわれは民族的良心を持った在日同胞が「守ろう民族の尊厳を、育もう民族の心を!」とのスローガンのもと、思想と政権の違いを越え、同胞社会で民族性を守るための全同胞的な運動に、団結して取り組むことを提起する。

 総聯は民族と次代の前に負った使命をもう一度深く認識し、同胞社会で必ず民族性を守り抜く厳粛な決意のもとに、われわれのすべての愛国情熱と創造性、組織のすべての力量をそこに傾けて行く。

 こんにち、同胞社会で民族性を守るうえで提起される最も重要な課題は、民族教育事業の決定的な強化だ。幼稚園から大学に至る整然とした教育体系を備えて行われている民主主義民族教育事業は、民族性を守るたたかいの過程で作り上げた、われわれの最も大事な財産であり力である。

 最近、朝鮮学校生徒たちが日本の中体連と高体連が主催する「全国大会」で活躍し、朝鮮の青少年の栄誉を輝かせ、民族教育の優越性を示したのは誇らしいことだ。

 われわれは民族教育を守ってこそ、同胞社会で民族性を守ることができ、より多くの同胞子女が朝鮮学校で学ぶほどに、愛国愛族の隊列が増えるということを自覚し、引き続き民族教育事業を愛国活動の中心に据え、とくに学生を受け入れる事業と学校を愛する運動を全組織的、全同胞的に強力に推し進めるであろう。

 教育活動家たちは朝鮮の言葉と文字、歴史と地理などを教える民族科目教育と民族の文化、風俗に対する教育事業の強化に力を傾け、全般的な教育レベルを高めねばならない。

 そうしてこそ、朝鮮人として日本と国際舞台で堂々と活躍する人材に育てることができる。

 総聯の各級組織は「民族学級」、「午後夜間学校」、「土曜児童教室」などの教育教養網を大々的に広げ、民族教育体系に網羅されていない学生にも、自分の姓と名前を教え、民族的情緒を養うことで、広範な新しい世代の同胞を民族の一員に育てなければならない。

 在日同胞社会で民族性を守るうえで次に重要なのは、3、4世をはじめとする新しい世代の同胞らに対する民族愛、祖国愛教育を、彼らの特性に合わせて多様な形式と方法で行うことだ。

 新しい世代に民族性を植え付けるためには、1世と2世が生活体験を通じて体得した、国と民族の大切さと民族的素養を目的意識的に体系的な教育過程を通して与えなければならない。

 民族性教育は、民族の運命と離れては自分の運命を真に開拓することができないということを認識させる教育から、朝鮮語、風習など民族的素養を養う教育、同胞の過去の歴史と愛国愛族の伝統の教育、真の祖国とは何かを教える祖国愛教育など、対象のレベルに合わせた多様な内容で行う必要がある。

 われわれは朝鮮新報と雑誌「イオ」などの出版物、青年学校、成人学校、文化教室と青春大学、民族大学、サマースクール、文化体育クラブなど各種の教育の場、そしてインターネットなどの手段をすべて動員し、新しい世代に対する一大民族的啓蒙と教育事業を繰り広げて行く。

 こんにち、新しい世代の民族性を守るうえで、彼らを地域同胞社会の一員として結束させ、民族的つながりを持つようにすることが極めて重要である。

 かつて1世たちは、互いに支え合いながら進んで同胞社会に集まったが、こんにち若い世代を同胞社会に集めるには、全組織を動かし大きな労力を傾けて、彼らを意識的に各種の教育網と同胞経済圏、文化圏に網羅しなければならない。

 総聯は民族団体としての本来の使命に合わせて、思想と政見、信仰の違いを超えて、総聯同胞だけでなく、民団、未組織、帰化同胞も愛族の理念のもとに結束させ、団結した力で地域同胞社会をしっかりと築き、新しい世代が民族性の代をつないでいくようにすべきだ。

 同胞社会で民族性を守るためには、民族文化事業をより活発に繰り広げねばならない。

 民族文化は文学と芸術、生活様式と風習、人々の感情と情緒を包括する、民族を象徴するものだ。

 われわれは各地で新しい世代の中で好評を得ている文芸体育サークルの活動を引き続き強化し、ここに各界各層の同胞をより多く網羅しなければならない。

 とくに、民族的情緒を植え付ける民謡、民族チャンダン、踊りを広く普及し、朝鮮料理をはじめ民族的生活と結び付いたサークルの活性化に優先的な関心を向けねばならない。

 同時に支部を同胞の「民族文化生活」の総合的な拠点とし、大衆文化行事を民族の名節、民俗的な記念日を契機により積極的に組織して同胞社会に民族的な香りと美風があふれるようにしなければならない。

 いま、在日同胞社会で民族性を守るために特別に重要なことは、民団の「参政権」策動を徹底的に粉砕することだ。

 民団中央は、同胞が民族的自主権を捨て、その代わりに日本の選挙権と被選挙権を得なければならず、民族的差別を甘受して日本の「模範的な市民」として「共生、共栄」することが、在日同胞の進むべき道だと主張している。

 これは、同胞の運命を日本政治に委ねようとする反同胞的、反民族的策動だ。

 民団中央は「参政権」策動が在日同胞の総意を反映したものであり、「参政権」が民族的差別をなくすかのように、同胞と世論を欺いている。

 総聯は、「参政権」策動が権利を守るものではなく、反対に在日同胞の生命である民族性と民族的権利を失わせ、同胞社会を崩壊させる犯罪的策動であるとして強く反対している。

 われわれは「参政権」反対闘争を、民族的自主性を守る最も尖鋭な対決、民族的尊厳と良心を守る崇高な民族的任務としてとらえ、全同胞的な闘争で「参政権」策動を徹底的に粉砕し、在日朝鮮人運動の愛国愛族の伝統をしっかりと守っていかねばならない。

生活と権利を守る真の奉仕

 第2に、われわれは同胞の生活と権利を擁護する活動をより力強く繰り広げねばならない。

 総聯は結成以来、こんにちまで、異国の困難な環境の中で暮らす同胞の生活、権利の擁護者として、その任務を誠心誠意果たしてきた。内外反動のあらゆる弾圧と迫害をそのつどはねのけながら、同胞の公民権と在留権、企業権と生活権を強化拡大してきたのだ。

 同胞の生活環境と志向が大きく変化した現状は、在日同胞の唯一の権益擁護団体である総聯が、同胞生活により奉仕することを求めている。

 故郷を離れて日本に連れて来られ、祖国統一を一日千秋の思いで願ってきた1世同胞は、こんにちも異国暮らしの辛苦の中にあり、新しい世代は、いまだに是正されない民族的差別と、不景気の中で、生活基盤の安定に苦労している。

 一方、新しい世代は、父母がかなえられなかった希望と抱負、民族的矜持を胸に、自らの才能を開花させ、活躍の舞台を広げようという創発的で多様な要求を持ってもいる。

 同胞のこのような生活状況と要求を直視し、彼らの生活と権利をしっかり保護し向上させてこそ、同胞が祖国に代わる母なる組織である総聯の周りに固く集い、民族性を守りながら暮らしていくことができる。

 われわれは、一世をはじめとする同胞高齢者を敬い、助けていくことに大きな関心を向けねばならない。

 同胞高齢者に対する問題は、日本社会で言ういわゆる老人対策問題、老人福祉問題とは違う。

 同胞高齢者を助けることは、愛国愛族運動の先輩を尊重し、年長者を敬う朝鮮民族固有の美風良俗であり、亡国奴の悲しみを胸に異国であらゆる辛酸をなめ、次代のために一生を捧げてきた同胞高齢者に対する、新しい世代の当然の道理であり義理である。

 われわれは、一人暮らしや病気の同胞高齢者を定期的に訪れ、健康と生活を助ける活動を民族愛、同胞愛をもって組織的に行う一方、日本の行政機関と福祉団体との活動をしっかりと行い、同胞高齢者の安定した生活を保障するよう努力しなければならない。

 また、同胞高齢者が常に自由に集まり、ともに過ごせる場を支部など総聯の機関に作り、彼らを敬う美風が同胞社会にあふれるようにしなければならない。

 とくに今後、同胞高齢者の医療保険奉仕施設を作る対策を積極的に研究していかなければならない。

 同胞の就職問題は、彼ら自身の生活の安定のために切実なだけでなく、同胞企業の人材問題を解決するうえでも重要な意義を持つ。

 われわれは近日中に、在日同胞の就職あっ旋のための情報誌と機構を作る準備を進め、同胞青年を同胞企業に送り、再就職を求める同胞の就職あっ旋を組織的な活動として推進していく。

 新しい世代の結婚問題は、同胞社会で民族性を受け継いでいくうえでとくに重大な問題となっている。

 まさにそのために、総聯は最近、この問題に組織的に大きな力を向けてきた。

 同胞結婚相談センターは、開設後3年間で中央と7つの地方センターに30県の結婚相談所を網羅した組織的体系として整えられ、総聯だけでなく民団と未組織の同胞を含めた民族結婚を毎年数百組以上、成就させてきた。

 総聯の各級機関は、在日同胞の民族結婚問題を引き続き中心課題とし、同胞結婚相談センターとの緊密な連携のもとに、この活動をより機関的、大衆的に繰り広げなければならない。

 とくに中央と地方の結婚相談センターは、センターと相談所のコンピュータオンライン化の実現をはじめ、民族結婚数を大幅に増やすための活動で根本的な転換を起こさねばならない。

 総聯活動を在日同胞の生活上の難題と悩みを解く生活密着運動に転換するには、支部に同胞生活相談体系を整えなければならない。

 総聯支部ではこの体系に沿って、定期的に同胞の生活上の要求を総合し、対策を検討する協議会を制度化し、すべての活動家が「同胞生活相談員」になって、同胞を待つのではなく積極的に訪れ、生活上の難題や悩みを解決するよう尽力しなければならない。

 とくに人権協会の役割を決定的に高め、弁護士、公認会計士、司法書士、税理士などの同胞専門家をより多く網羅し、「同胞法律、生活相談の日」を日常的に運営する一方、医学協会とともに「同胞医療福祉の日」などを積極的に組織し、同胞生活相談体系が実質的に実を結ぶようにしなければならない。

同胞の中へより深く

 第3に、すべての機関、すべての活動家が、同胞の中に深く入り、より多くの同胞を結集しなければならない。

 総聯のすべての機関と活動家が広範な同胞の中に入ることは、在日同胞社会で民族性を守り、在日同胞の生活と権利を擁護し、主体的愛国力量を拡大強化するための根本方途だ。

 「同胞訪問、奉仕、団結 3ヵ月運動」期間に得た貴重な成果と経験は、すべての機関と活動家が日常的に同胞の中に深く入り、総聯を同胞地域社会に根を張った大衆的な愛国組織に転換する跳躍台となる。

 すべての機関と活動家が支部を中心に同胞の中に深く入り、繰り広げる「同胞訪問、奉仕、団結」を、総聯18全大会まで引き続き徹底的に深化発展させ、愛国力量を決定的に拡大強化しなければならなない。

 活動家は、支部と分会で役職を兼務したり、1つ以上の具体的な仕事を受け持ち、熱誠者と知恵を合わせ、同胞との活動で提起される問題の解決に直接携わり、彼らの真の忠僕となるだろう。

 次に、同胞生活と愛国活動の基本単位であり、在日朝鮮人運動の地域的拠点である各支部の役割を決定的に高めねばならない。

 支部の役割を絶えず高めることに、主体的愛国力量をしっかり築く鍵がある。

 支部活動家隊列を引き続き補強しながら、総聯支部常任委員会が協議を強化し、管下組織を統一的に掌握指導する機能を決定的に高めるよう優先的に力を注がなければならない。

 支部は、同胞の生活単位である分会をしっかりと助け、すべての分会を生きた組織に作らねばならない。

 支部は団体と事業体が自らの特性と創発性を高く発揚できるよう導き、階層別同胞を積極的に結集させなければならず、同胞の愛国的志向と生活上の要求を反映し、彼らが主人公となる大衆運動を広範に繰り広げなければならない。

 支部の役割を高め、同胞との活動を強化するためには、分会と階層団体の大衆核心が、しっかり整えられなければならない。

 支部では、管下の顧問をはじめ非専従活動家と分会長、分会委員、そして階層団体役員との活動に大きな関心と力を向け、彼らが大衆核心としての役割をより高めていけるようにしなければならない。

 次に、総聯の団体、事業体が役割を決定的に高め、自らの隊列を大きく拡大強化しなければならない。

 在日同胞の階層別大衆組織である団体が、自らの特性を余すところなく生かし、活動で自立性を高め、役割を果たしてこそ、同胞との活動の幅を広げ愛国力量を拡大できる。

 とくにわれわれは、約30万人に達する新しい世代の若い同胞を担当する朝青、留学同、青商会に愛国運動の未来を任せており、大きな期待をかけている。

 朝青は新たな歴史創造の主人公としての自覚と青春の気迫をもって「4万人朝鮮青年訪問談話運動」を成功させ、在日青年学生の過半数を影響下におく大胆な目標を必ず成し遂げることで、青年運動で画期的な転換をもたらすだろう。

 留学同は1万人を超える同胞留学生を愛国愛族の道に導いて行く抱負と決意を固め、各種の研究会や文化体育運動を活発に企画して同盟員を大幅に増やし、優秀な民族人材、愛国人材を数多く育てねばならない。

 青商会は2年余りの間に29の地方、40の地域に組織をつくり、多様な運動を通じて数多くの青年商工人を結束させる貴重な成果と経験を築いた。

 この成果と経験を積極的に生かし、会員数を2.5倍に増やすことを計画し、30代の青年の特性にあった活動を大胆に起案して、引き続き斬新な活動を大胆に進めて行くだろう。

 女性同盟はこれまで、いかなる団体よりも同胞地域社会に密着した活動を地道に繰り広げ、愛国運動の大衆的地盤の拡大強化に大きく寄与してきた。

 女性同盟は、若い女性をはじめとする10万人同胞女性を訪問教育する事業と、子女教育事業、社会主義祖国を支援する運動の誇らしい成果をもって、結成50周年を輝かせ、隊列を画期的に増やさねばならない。

 商工会、朝銀、金剛保険をはじめとする経済団体が、自らの固有な役割と自立性を高めてこそ、愛国力量の幅をより広げることができ、すでに築いた同胞経済圏も強化発展させていくことができる。

 商工会は、団結と協調の力で難しい経済環境を乗り越えねばならない。商工会は同胞商工人の税金問題を公正に解決すると同時に、資金面や人材面などで提起される大小様々な経営上の問題に細心の関心を寄せ、その組織的な解決に大きな力を注ぐべきだ。

 そうすることで、より多くの同胞商工人を結束させ、とくに若い商工人たちが一世商工人たちの愛国の業績を受け継ぎ、組織に結束して同胞経済生活圏をより強化拡大していくようにしなければならない。

 朝銀は民族金融機関としての使命と任務をより深く認識し、在日朝鮮人運動発展の要求と同胞生活の志向に合わせて、金融奉仕をより拡充させ、自らの発展で新たな転換を遂げなくてはならない。
 金剛保険は同胞らに忠実に服務し、その任務と役割を果たすことで、同胞の保険的利益を擁護し、より多くの同胞を結集させねばならない。

 民族文化運動を直接担当する文芸同と体連をはじめとするすべての団体、事業体も、在日同胞社会で民族性を守り、各界各層の広範な同胞の中で愛国隊列を拡大していかねばならない。

 そうすることで、われわれはより強力で主体的な愛国力量で、反民族的、反同胞的勢力の策動を断固打ち破り、社会主義祖国を擁護し、祖国統一3大憲章の旗のもとに祖国統一を実現する挙族的偉業に尽くし、われわれの愛国偉業に対する国際的支援も大きくなるようにして行くだろう。

 総聯事業は在日朝鮮人運動に責任を負う活動家たちの役割に全面的に依拠しており、在日同胞社会で民族性を守り、主体的愛国力量をより拡大強化して行けるかどうかも、活動家の働きに掛かっている。