共和国の各道、中・小規模の水力発電所増設へ/全国185ヵ所に建設


 共和国では現在、80万キロワットの発電能力を有する大規模の安辺青年発電所(旧金剛山発電所)の建設を急ぐ一方で、中・小規模の水力発電所建設にも力を注いでいる。

 共和国には、鴨緑江と豆満江、大同江、清川江、北漢江、臨津江などの大規摸河川と、2キロメートル以上の河川が4360個あり、これらの地域の年間降水量は平均千40ミリメートルである。中・小規模水力発電所は、こうした豊富な水源と、至る所に水力発電所を建設できる有利な地理的条件を利用して建設されるものだ。

 建設は1980年代後半から始まり、現在、全国各地185ヵ所に建てられた。発電能力は計9万キロワットで、これらは地方の行政経済機関や工場と企業所、協同農場などに供給され、人民生活の向上に役立っている。

 共和国では現在、行政の末端単位である郡の独立採算制を推進して地方産業の活性化を図っているが、各地方に中・小規模発電所を多く建設することでそれを促進させることにもなる。

 中・小規模発電所は、発電能力が1万キロワット以下の発電所で、落差を利用したダム(堤防)式、水路式、ダム−水路式などがあり、火力発電所に比べても労力と資材、資金投資が少なくてすみ、短期間で建設することが可能だ。さらに、一度建設すれば少ない原価で電力を継続して生産できる。

 9月初、党と政府の幹部らが参観した慈江道では、道内の活動家と勤労者らがわずか6ヵ月間で、各形態の29の中・小規模の水力発電所を建設、整備補強し、多くの発電能力を備えた。ここで生産された電力は170余の地方産業工場と、2万1300余世帯の住宅の照明、1700余世帯の暖房用に供給されている。

 また両江道大紅湍郡では、階段式に4つの発電所を建てることによって、地方産業工場と住民用の電力を供給。国内有数の穀倉地帯である黄海南道青丹郡では、貯水池の水を利用して階段式の発電所を建設し、揚水機(水田に入れる水を汲み上げる機械)の電力を保障している。

 共和国では年始の労働新聞など3紙の共同社説で、今年中に「苦難の行軍」を勝利の内に収束させることを呼びかけているが、電力問題を解決することは食糧問題解決と並んで緊要な問題だ。電力問題が解決すれば、肥料工場の生産を伸ばし、軽工業工場をフル稼働させるなど工場の稼働率向上に役立ち、農業と軽工業を発展させて人民生活を向上させられるからだ。

 政務院電力工業部によると、今年は新たに200ヵ所で中・小規模発電所の建設を予定しているという。