女性同盟結成50周年記念神奈川同胞女性舞踏会「異国の空の下で」が上演
「チャンダンに民族の血が騒いだ」
女性同盟結成50周年記念神奈川同胞女性舞踏会「異国の空の下で」(同実行委主催)が7日、横浜市中区の横浜文化体育館で上演され、総聯中央の金守埴副議長と朴鍾相文化局長、神奈川県本部の金佑鍾委員長、女性同盟中央の金一順委員長をはじめ同胞と日本市民ら2500余人が観覧した。初級部2年生の4世から74歳の1世まで、県下の同胞女性450余人が出演した。結成50周年を迎えた喜びと1世らが歩んできた半世紀の道程を、民族の情緒あふれる舞踊で綴った8章からなる公演は、女性同盟運動を代を継いで21世紀により発展させていくという次世代の同胞女性の決意を内外に大きく誇示した。(道)
1世から4世まで 450人が出演、2500人の観客
神奈川県本部では、民族の情緒あふれる朝鮮舞踊を習い踊る過程で、若い世代をはじめ広範な同胞女性の民族心を奮い起こすとともに、1世が守り発展させてきた女性同盟の歴史の重みを肌で感じさせることで、3、4世が21世紀に同胞女性運動をさらに力強く推し進めていく契機にしようと同公演を企画した。
出演者のうち舞踊経験者は30人ほど。県下10支部で舞踊サークルがあるのは鶴見と南武だけで、ほとんどがずぶの素人だった。
3月に発足した実行委では、脚本を作成し舞踊の振り付けを行うと同時に、数少ない舞踊経験者を探しだし指導員に抜擢、4月には指導員らで「模範ビデオ」も作成した。一方、各支部では地域に住む同胞宅を回り出演者を募った。
5月からは指導員を各支部に割り当てて本格的に練習を開始。オモニたちは仕事や家事、子育てで多忙な中、合間を縫って週に1、2回、昼と夜に支部事務所や学校に集まって練習した。
公演の総指導に当たった実行委芸術班責任者の金南順さん(文芸同神奈川支部舞踊部長)は「基本動作すら知らないオモニたちにとって短期間で舞踊の動作を覚えるのは本当に大変だったろう」と振り返る。
横須賀支部最年少の李善美さん(24)は、生後9ヵ月の子供がいる。「子供を置いて練習に行くのがとても辛かった」という。肉体的にも辛かったが「練習が進むにつれて、女性同盟を守り発展させてきた1世の思いと女性同盟が歩んできた歴史を身に染みて感じるようになり、若い世代がしっかりと代を継いでいかなければならないと切実に思うようになった」と語る。
4年前に京都から嫁いできだ和仙さん(西横浜支部技術指導員、33)は「3人の子供の育児に追われながらの練習は大変で、投げ出そうとしたことも1度や2度ではなかった。だが、地域のオモニたちの励ましに支えられ頑張ってこれた。これまでは神奈川同胞との目に見えない壁のようなものがあったが、公演を通じて本当に地域の一員になれたような気がする」と話した。
1つの大事業をやり遂げたことで、県下の同胞女性の結束が一層強まったことが今回の大きな成果だと語る゙さん。そう言い切るのは、自分だけの経験ではなく、少なくない同胞が今回の公演を機に初めて組織のイベントに参加したことも踏まえてのことだ。
チャンダンノリに出演したオモニの朴二南さん(川崎支部、59)と李好生さん(同支部、35)親子は共に日本学校を卒業した。これまでは同胞や組織との繋がりをほとんど持っていなかったが、5月、以前から誘われていた支部のチャンゴサークルに親子で通うようになった。ちょうどその頃、支部での舞踏会の練習が始まり自然に出演が決まった。
「朝鮮のチャンダンや音楽を聴くと民族の血が騒ぎ出した。こんなことは今までなかった。とくにたくさんの同胞と知り合えたことが嬉しい」と李さんは喜びを隠さなかった。
実行委事務局担当の権敬愛・県本部副委員長は「若い世代をはじめ幅広い同胞に、未来の同胞女性運動を推し進めていくのは自分たちだという自覚と、深い民族心を奮い起こせたことが一番の成果だ」と話した。