喪明け後の共和国の政策 金正日書記の著作を読む(10)


統一/3大憲章が指導的指針/民族基礎にした連邦制

 「祖国統一を達成することは主席の遺訓であり、全民族が統一した祖国で仲睦まじく暮らせるようにすることが主席の意思でありました」

 金日成主席の逝去から100日後の1994年10月16日、金正日書記は朝鮮労働党中央委員会責任幹部らと行った談話「偉大な主席を永遠に戴き、主席の偉業を最後まで完成させよう」の中でこう述べた。

 書記は前述の談話をはじめ、7月13日付で在米僑胞ジャーナリストの文明子氏に送った書簡、8月4日に発表した「偉大な領袖金日成同志の祖国統一遺訓を徹底的に貫徹しよう」などを通じて、統一実現が主席の遺訓であることを強調している。

根本原則と方途

 主席は祖国統一の実現のために生涯を捧げ、多くの業績を残した。自主、平和統一、民族大団結の祖国統一3大原則を明らかにした7・4共同声明発表25周年を迎えた今年7月4日、統一に尽くした主席の業績をまとめた外交部備忘録が発表された。

 さらに、書記は前述の8月4日労作を通じて、分断したその日から統一実現を民族史上の課題に掲げ、1つの朝鮮路線を一貫して堅持してきた主席の業績について述べている。

 ここでとくに強調されているのは、主席が祖国統一3大憲章を示した点だ。

 3大憲章とは、 @自主・平和統一・民族大団結を内容とする祖国統一3大原則(72年7月4日) A祖国統一のための全民族大団結10大綱領(93年4月6日) B高麗民主連邦共和国創立方案(80年10月10日)を指す。

 昨年11月24日、書記が分断と対決の象徴である板門店を視察した際に定めた。

 8月4日労作を通じて書記は、3大憲章が祖国統一の旗印、祖国の自主的平和統一実現のための最も正当で現実的な闘争綱領であると強調しており、文明子氏に送った書簡でも、「統一のためのたたかいで確固と堅持し、最後まで貫徹しなければならない指導的指針」だと指摘している。

 情勢の変化に応じて、具体的方法が変わることはあっても、根本原則と方途を明らかにした3大憲章に沿って統一を実現するという路線には変わりはないということだ。

自主的な平和国家

 書記は6月19日に発表した「革命と建設において主体性と民族性を固守するために」の中で、統一の基礎が何であるかを明らかにしている。

 それは、民族性とそれに基づいた民族愛、民族自主精神であり、民族の共同の利益に基づいた民族団結だ。いずれも「民族」がキーワードになっている。

 外勢による分断状態が50年以上も続き、南北に互いに異なる制度、政府が存在している条件のもとで、平和的統一を達成するためには、民族を基礎に置く統一しかない。

 そのため、1つの民族、1つの国家、2つの制度、2つの政府に基づく連邦制方式による統一方途が最も合理的で公明正大だと言える。

 統一した連邦国家は、自主的で平和愛好的で中立的な民族統一国家となろう。 (聖)=終わり