朝銀長野サマーコンサート/朝鮮民謡など一流の演奏で


 朝銀長野信用組合創立35周年記念サマーコンサート(主催=同組合)が8月15日、松本市内にあるホテルブエナビスタで開催された。

 テレビ朝日の小澤幹雄キャスターが司会を担当した同コンサートには、サイトウ・キネン・オーケストラ首席フルート奏者の工藤重典氏、同オーケストラヴァイオリニストの加藤知子氏、ピアニストの林絵里氏らが出演。モーツァルト、バッハ、ビゼー、エルガー、サラサーテなどの作曲家によるクラシックのほか、朝鮮歌曲「故郷の春」や「半月」、「アリラン」などが披露され、350余人の聴衆を魅了した。

 サイトウ・キネン・オーケストラは、世界を舞台に活躍する著名な音楽家、小澤征爾氏の指揮と最高水準の演奏で、世界の音楽界の注目を集める管弦楽団。出演した工藤氏はコンサート終了後、「初めて朝鮮の曲を演奏し、また直接編曲も手がける過程で、朝鮮音楽の素晴らしさを実感しました。音楽の世界には国境がない。日朝関係においても友好親善が深まることを願います」と語った。

 松本市在住の渡辺秋津さん(50)は、「深く伸びのある音色が耳に残っている。また、いくつかの朝鮮民謡は遠く広がる朝鮮の大地を思わせ、まだ見ぬ国に思いを馳せました」と語った。

 朝銀長野信用組合の尹泰輝理事長は、「初めての試みだが、同胞愛好家はもちろん、多くの若い世代や組織に属さない層、民団傘下の同胞もコンサートを鑑賞したことは、音楽を通じた斬新な企画と取り組みで幅広い同胞を団結させることができるという、貴重な経験となった」と述べた。

 この日、出演した演奏家や観客らは、共和国の水害支援のためのカンパを行った。