金正日書記の97年8月4日労作/3大憲章で祖国統一を


祖国統一3大憲章

自主平和統一・民族大団結の3大原則
全民族大団結10大綱領
高麗民主連邦共和国創立法案

 金正日書記は8月4日、労作「偉大な領袖金日成同志の祖国統一遺訓を徹底的に貫徹しよう」を発表した。労働新聞20日付は全文を掲載した。書記は労作で、 @祖国統一の3大憲章に基づいて祖国統一を実現する A南北間に共存、共栄、共利を図り、民族の大団結を達成する B武力行使ではなく平和的方法で祖国統一を実現する C連邦制方式に基づいて統一する D南北関係改善で統一の転換的局面を作る E朝鮮問題解決で関係国=米国と日本が肯定的役割を果たす、ことについて述べている。

 

礎石、政治綱領、設計図

 金正日書記は金日成主席が明らかにした祖国統一3大憲章(自主・平和統一・民族大団結の3大原則と祖国統一のための全民族大団結10大綱領、高麗民主連邦共和国創立方案)に基づいて祖国統一を実現しなければならないと主張した。

 自主・平和統一・民族大団結の3大原則は、祖国統一問題を民族の意思と利益に合わせて民族自体の力で解決できる根本的立場と根本方途を明らかにした祖国統一の礎石である。祖国統一のための全民族大団結10大綱領は、全民族の団結を達成し祖国統一の主体的力量を強化するための政治綱領であり、高麗民主連邦共和国創立方案は統一国家の全貌とその実現方途を明らかにした設計図である。

 祖国統一のためのたたかいで情勢の変化によって具体的方法は変わることはあるが、統一の根本原則と立場では変化はない。情勢がいかに変わり、環境がいかに変わろうとも祖国統一3大憲章に基づいて統一を実現しなければならない。

 書記は統一はどこまでも民族自主の原則で解決しなければならず、自主的に統一を実現するためには民族の主体的力量を築かねばならないとも指摘した。

共存、共栄、共利を図る

 書記は北と南が思想と制度の差を超え共存、共栄、共利を図り、祖国統一偉業を達成するために力を合わさねばならないと主張した。

 民族的良心を持って統一のために立ち上がる人ならばいかなる思想と信仰を持とうと、また彼が資本家であろうが、軍の将軍であろうが、執権上層にいようが関係なくともに手を携えて行ける。かつて民族の前に罪を犯した人でも、過ちを悔い改め民族の側に立つならば過去を白紙化し寛容に対処し団結することができる。民族大団結のための共和国の路線と政策は愛国、愛族、愛民の政治だ。

武力でなく平和的方法で

 書記はつぎに祖国統一を武力行使ではなく、平和的方法で実現することはわれわれの原則的立場であり、朝鮮労働党の変わりない路線であると強調した。

 民族の統一のために同族同士争わねばならない根拠はない。北と南の間にある思想と制度の差も武力行使の条件にはならない。思想と制度は強要しても受け入れられるものではなく、強圧的方法では北と南の思想と制度の差を無くすことは出来ない。南北が争えば戦争の惨禍を受けるのは朝鮮民族であり、漁夫の利を得るのは帝国主義者である。 朝鮮で緊張を緩和し、戦争の危険を除去する問題は何よりも、米国が共和国に対する敵視政策を捨て、朝米間で平和協定を締結してこそ解決できる。朝米間ではいまだに一時的な停戦状態にあり、朝鮮で戦争の危険は無くなっていない。戦争の危険を無くし平和を保障するためには、朝米間で平和協定を締結し新たな平和保障システムを樹立しなければならない。また南北不可侵に関する合意を再確認し徹底的に履行しなければならない。

1民族、1国家、2制度、2政府

 書記は、統一問題を順調に解決するもっとも合理的な方途は連邦制方式に基づいて統一を実現することだと強調した。

 南北が、半世紀が過ぎた今日になって、どちらか一方の制度による統一を実現しようとするならば、統一どころか、かえって分裂を深め取り返しの付かない民族的災難をもたらすだろう。

 朝鮮民族の切実な要求と国の現実に照らし合わせた時、1日も早く統一を実現する最善の方途は1つの民族、1つの国家、2つの制度、2つの政府に基づく連邦制方式の民族統一国家を創立することだ。連邦制統一はどちらか一方の優位や利益のみを追求せず、誰にも被害を与えない合理的で公明正大な統一方途である。

 統一した連邦国家は、自主的で平和愛好的で中立的な民族統一国家になり、周辺諸国の利害を侵害せず脅威にもならない。

民族自主で外勢に反対

 書記はさらに、南北関係を改善し祖国統一の転換的局面を切り開くことについて指摘した。

 南朝鮮の現「政権」が発足してから南北間には和解ではなく対決が激化し、平和ではなく戦争の危機が起こった。南北関係をかつてないほど最悪状態に陥れたことは南朝鮮の現当局が犯した許しがたい反統一的で売国反民族的な罪である。

 統一の転換的局面を切り開くためには何よりも、南朝鮮当局者が外勢に依存し「共助」するのではなく、民族自主の立場で同族と力を合わせて外勢に反対する道を歩まねばならない。

 南北間の政治的対決状態を解消することは、南北関係を改善するための優先的要求であり、また軍事的対決状態を解消し緊張を緩和しなければならない。南朝鮮で社会政治生活が民主化されねばならず、さらに「国家保安法」が撤廃されない限り南北関係でいかなる前進も期待出来ない。

 今後、南朝鮮当局者が全民族の期待に沿って反民族的で反統一的な対決政策から抜け出し、実際の行動で肯定的変化を見せれば、共和国は彼らといつでも会って民族の運命問題について虚心担懐に協議し統一のために共に努力するだろう。

米国と日本が肯定的役割を

 書記は最後に、朝鮮問題を正しく解決するためには関係諸国も朝鮮の統一を助ける誠実な立場で肯定的役割をしなければならないと指摘した。

 米国は朝鮮問題に直接的責任がある当事者として当然、自ら署名した朝米基本合意文を誠実に履行しなければならない。共和国は米国を100年の宿敵と見ておらず、朝米関係が正常化することを望んでいる。米国が冷戦時代の古い思考を捨て、力の立場で朝鮮問題に対処せず朝鮮半島の平和と統一に助けとなることをすれば朝米関係も発展しよう。

 日本はかつて朝鮮人民に取り返しの付かない不幸と災難を与えた。この過去を心から反省し共和国に対する敵視政策を捨て、朝鮮の分裂をあおり統一を妨害してはならない。そうすれば共和国は隣国である日本に友好的に対処し非正常な朝・日関係も改善できよう。