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舞踊家としての決意

 毎年4月には祖国で金日成主席の生誕を祝賀する親善芸術祭典が行われる。祖国の人民もこの祭典での催しが楽しみのようだ。世界各国からトップレベルの芸術家たちが出演する公演に加え、平壌の街はキラキラとライティングされ、花壇には綺麗な花が咲き誇り、いつもより一段と華麗な装いとなる。

 その祭典に光栄にも金剛山歌劇団の舞踊部が参加することになった。3月には大震災と原発事故が相次ぎ、「こんな状況の中で行くのか」と不安な気持ちもあったが、舞踊家として何ができるかと考え、平壌行きを決意した。

 その決意を実行するにあたっては、汗を共に流す仲間との絆、また夫の支えがなければ無理だった。落ち着かない中、子どもを置いていかなければならないからだ。そんな不安な気持ちもあったが、祖国では公演成功に向けて全員が一丸となり、ハードなスケジュールをこなした。在日同胞を代表し、祝賀の気持ちを伝える大事な大事な公演だからだ。みんなの努力の甲斐もあり、無事、大盛況のうちに公演を終えた。

 公演終了後に、今度は震災の状況、家の心配が一気に押しよせた。しかし帰ってきてみると家はピカピカで、子どものお行儀までよくなっていた(笑)。本当に夫は凄いとあらためて感じた。感謝感謝だ。その夫の協力もムダにならないよう、また震災で被害を受け苦労している方々のために、人として舞踊家としてできることを探しやっていきたいと思っている。(文淑礼、東京在住、舞踊家)

[朝鮮新報 2011.4.28]