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ウリノレを歌おう

 「アジラ〜ンイ〜♪ ピヨナ〜ヌン♪ ポムナルン チャ〜ジャ〜ワ〜♪」

 カタカナで表記するとわかりにくいが、こんな朝鮮の歌がある。

 先日、初めて京都の舞鶴を訪れた。舞鶴同胞の花見に参加したのだが、桜並木の下で焼肉を食べながら、「春なので春の歌をうたおう!」ということになり、ある男性が歌いだした。「アジラ〜ンイ〜♪」すると、それに合わせて七輪を囲んだ数人の合唱が始まった。

 懐かしい朝鮮の歌、ウリノレだ。数年ぶりに口にする歌だったが、歌詞はしっかり頭に刻まれており、みな最後まで熱唱した。次々と他の歌も始まり、しばらく合唱が続いた。歌に対する懐かしさと、みんなで一緒に歌えるうれしさとで、とてもすがすがしい気分だった。

 ウリノレには時代の背景がたくさん刻まれている。植民地時代の悲しみを表した歌、抗日闘争時代の歌、朝鮮戦争の日々に創られた歌、戦後復旧建設の日々の歌、在日同胞の生きざまを綴った歌、ウリハッキョの歌など。政治色が濃いので嫌だという方もおられるが、少なくともここ100年の祖国と同胞をとりまく情勢はいつも緊張が緩むことがなかったので、時代背景が歌に映るのは自然なことだと思う。むしろ、歌で元気を得て、困難な局面を多数乗り越えてきたのではないだろうか。

 多くの同胞たち、子どもたちにウリノレを覚えてほしい。そして一緒に歌いたい。一緒に歌えば気持ちも一つになれそうだ。(申民福、会社員)

[朝鮮新報 2011.4.22]