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充実したセカンドライフ−絵本の読み聞かせ

 朝鮮には「60青春、90還暦」という言葉がある。人々が60歳で青春を謳歌し、90歳で還暦を迎えるとの願いをこめた言葉である。

 神奈川県川崎市在住の金東姫さん(65)は、60歳で事業を息子に譲り、翌年から日本の図書館や朝鮮学校で子どもたちに絵本の読み聞かせを始めた。活動を始めて早4年。その間400冊以上もの絵本を取り上げてきた。

 「読み聞かせ活動の魅力は、子どもと子どもたちの未来に向き合うということ。今では30〜40代のオモニたちなど17人のボランティアスタッフに囲まれて、常日頃から絵本を通した触れ合いを深めている」

 日本各地の朝鮮学校では近年、図書室を整備して、絵本や児童書などの購入、譲り受け、児童・生徒の利用率を高めるための工夫などがされている。しかし、川崎朝鮮初級学校のように毎週火曜日(午前8時30〜45分)と月3回(土曜日など)の読み聞かせを定期的に続けているところは多くない。

 「スタッフの増加により絵本選択の幅も広がってきた。子どもたちは年間100冊、100通りの絵本の世界に触れ、友だちや先生、オンマたちと会話を弾ませている」

 金さんは、この活動が多くの朝鮮学校に広がれば良いと考えている。(潤)

[朝鮮新報 2011.3.4]