春から朝鮮学校に入学する新１年生たちの入学準備が進められている。

　ずいぶん前のことだが、「一日体験入学」時にチマ・チョゴリを着た先生が優しく話しかけてくれ、カードを見ながら朝鮮語でなんと言うか答えたこと、制服を合わせたり、簡単な朝鮮語のあいさつを学んだことなどを今でも憶えている。中でも教室で配られたプリントの四角いマス目の中に、見慣れない３つの文字が並んでいたのは印象的だった。

　「これはみなさんの名前です。さぁ、自分の名前を朝鮮語で書いてみましょう」と先生は言った。

　当時、日本の保育園へ通っていた記者は、ひらがなで６文字もある自分の名前がたった３文字になってしまうなんて何かの間違いかもしれないと母を探した。「間違いなくそれがあなたの名前よ」との母の言葉に、妙に感心したものだ。

　初めて見たハングルの名前。丸や四角、三角みたいな形が並んでいてなかなか可愛い。ウリハッキョでは、ひらがなの他にウリマル（朝鮮語）を学べるんだ―と、小さな胸に期待感が湧いてきたのを今でもぼんやり憶えている。

　今年の新入生たちは、朝鮮学校に通い、何を学んで、何を体験するのだろうか。春を待ちきれない子どもたちの顔を思い浮かべると、こちらまでわくわくしてきそうだ。（潤）

［朝鮮新報 2011.2.18］