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春・夏・秋・冬

 嘘は必ず暴かれる。東電は福島第1原発1号機のメルトダウンを認めた。一部の学者やジャーナリストの震災直後の指摘が、過剰なあおりでなかったことが確認された。だが彼らは、東電や政府がひた隠しにし、大手メディアが報じない真実を追い求めたから「締め出された」

▼素人でも少し調べただけで次々と疑問が沸く。最も危険な物質と言われるプルトニウムの測定は、ヨウ素やセシウムよりも軽視されている。食品中の放射性物質が健康に与える影響について、ウランやプルトニウムによる影響の議論は先送りされてきたというから衝撃だ

▼国際原子力機関によると、多くの研究は、チェルノブイリ原発の事故処理に携わった作業員の被曝と高い発ガン率・死亡率との間の因果関係に否定的だという。だが、放射線量と発ガン率の間に相関関係があるのは事実。内部被曝は最も深刻な問題だ。あとになってわかったでは済まない。対応は徹底すべきだ

▼1号機の炉心から溶け落ちた燃料は、格納容器にかろうじて溜まった水で冷やされている状態だ。東電は「冷温停止まで遅くとも9カ月」と定めたが、溶けた燃料の取り出しには数年以上かかるともいう。冷却がうまくいかない3号機はより深刻だ。その間、住民が自宅に戻れる保障はない。隠ぺいと追及のイタチごっこはうんざり。日本政府と東電は、まず真実を公表すべきだ。(天)

[朝鮮新報 2011.5.16]