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春・夏・秋・冬

 福島原発事故の影響で避難した住民が生活する避難所を訪れた菅首相が、住民に「私たちを無視するのか」と咎められた。これがメディアに取り上げられ、被災地の深刻な窮状を訴えることにつながった。「避難所を見てもらえてよかった。視察をいかし、しっかり対策を講じてほしい」と語る人も

▼被災者のなかには在日朝鮮人もいる。災害は人を選ばないのに、人は人を選ぶ。宮城県は、東北朝鮮初中級学校への補助金を打ち切った。日本政府は朝鮮高級学校生徒に対する「無償化」適用をまたも先送りした。震災で「支給せよと言いにくい現状にかこつけた暴挙」との指摘も当然だ

▼政治に振り回され、やり場のない怒りを溜め込んでいる人がどれほど多いことか。家族や職場の同僚、隣人に配慮し、怒りを胸の奥にしまって耐えている。震災の非常事態だから耐えなければならないのか。日本に暮らす代わりに沈黙せねばならないのか。そんなはずはない

▼京都・ウトロの同胞住民たちも被災地に義援金を送る。行政から見放され、戦後60年以上も「非常事態」を生きてきた人たちだ。「黙ってしまったら抑圧はもっと激しくなる。怒りを発信し続けなければならない」。16年前、神戸では救援・復興の過程で朝・日が助け合い、外国人学校が結束した。声を挙げることで被災地の未来を守ることができる。支援の一つの形でもある。(天)

[朝鮮新報 2011.4.25]