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春・夏・秋・冬

 北南が白頭山の火山活動に関する研究を進めることで合意した。5月には学術討論会が行われる

▼共同研究は北側の提案によるもの。「日本の大地震は、地理的に近い朝鮮半島における地震と火山活動に関する研究の緊急性を示した」(朝鮮地震局長の書簡)との判断に基づく。白頭山は天池の下に溶岩がうごめく活火山だ。10世紀に起きた大噴火は「ポンペイ最後の日」で有名なヴェスヴィオ火山爆発を上回り、有史以来最大の規模だったとの見解もある。近年は「100年に一度の噴火が近い」という指摘もなされている

▼人間の力で天災を止めることはできない。可能なことは事態を予測し最悪の事態を避けることだ。当初、李政権は北側の提案受託に消極的だった。当局者による「火山会談」は拒否し、民間の研究者に実務接触を任せた。「日本の災害を利用した対話攻勢にすぎない」と考えたのだろう。対決思考に凝り固まった大統領の判断力低下は目を覆うばかりだ

▼「今そこにある危機」に鈍感な人物が権力の座につくと禍を招く。今回は南が北の主張を最終的に受け入れたが、北南には自然災害以外にも共同で対処すべき「危機」がある。昨年、西海砲撃戦を引き起こした軍事的対立構図の解消は焦眉の課題だ。まずは責任ある当局者が対話を始めるべきだ。民間人に解決できないテーマから目を逸らし事態を悪化させることは許されない。(永)

[朝鮮新報 2011.4.14]