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春・夏・秋・冬

 郊外の国道沿いのあるパチンコ店は、ネオンを消し最低限の電力で営業していた。一見、営業しているのかわからないほどだ。住民を名乗る人から「電気のムダ遣いだ」と抗議され、営業停止まで求められたという。経営者は嘆く。「営業を止めたら生活できなくなる」。福島第一原発から約700キロメートル離れた場所でのことだ

▼パチンコはレジャー。「ギャンブル性」がすべてではない。前述の店内の一画はカフェになっており、ソファーやテレビ、雑誌が備え付けられている。飲食以外は無料。分煙はもちろん、パチンコの音がある程度遮断され普通に会話ができ、憩いの場となっている。昼間は、遊技をしない高齢者の利用もあり、「ふれあいセンターのようだ」という

▼「地域密着」は経営に欠かせない。営業を継続、再開した被災地のP店の中には、営業時間を短縮しネオンや広告を自粛する一方、炊きだしや出玉サービスを行う店もあるという。客も来る。遊技を楽しむのはもちろんのこと、「通い慣れたコミュニティーを求めてやって来る」

▼年間遊技人口は1720万人、21兆円が動く巨大産業(レジャー白書2010)。過度な「自粛要請」や「P店いじめ」は経済に悪循環をもたらし、結局は復興を遅らせる。「痛みを分かち合うことは大切だが、できることは大いにすべき」。有識者たちの指摘にうなづく人も多いだろう。(天)

[朝鮮新報 2011.4.11]