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春・夏・秋・冬

 東日本大震災発生から10日あまり。阪神淡路大震災のある被災者は、発生から1〜2週間経った頃が心身ともに「一番しんどかった」と振り返る。家族や家、仕事を失った絶望から「いかに気持ちを切り替えられるかが重要」で、周囲の人たちの積極的な声掛けが被災者の不安や絶望感を和らげるのに効果的だという

▼総連緊急対策委員会宮城県本部が東北朝鮮初中級学校周辺の住民らのために日本学校で炊き出しを行った。現場の記者によると、久しぶりの温かい食事に喜び感謝する日本市民、笑顔の子どもたちの姿があった。東北初中のテントには「みんなでがんばろう」と書かれていた

▼震災を乗り越えようという「がんばり」に水をさしているのが原発事故への対応だ。とくに、東京電力の奥歯に物が挟まったような記者会見での発言は、人々の不安を助長している。武藤副社長は21日の会見で、廃炉の可能性についてのたび重なる質問に対し、「現時点で申し上げる状態にはない」と明言を避けた。この期に及んで、まだ使用する気でいるのか

▼「廃炉には10年近くかかるだろう」との指摘もある。放射能物質による農業、漁業被害も広がり、多くの人々が被曝の危険性に怯えている。すでに一企業が対応できる規模の事故ではない。一刻も早く日本の、いや、世界の知識と技術を「招聘」し被害拡散を食い止めるべきだ。(天)

[朝鮮新報 2011.3.22]