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春・夏・秋・冬

 新聞の発行は、時の積み重ねだ。今号で朝鮮新報は累計1万5千号になる。記念号の紙面作りのために過去の記事を閲覧し、じっくりと読んだ

▼幾多の先輩たちによって流された汗、継がれてきた伝統を確認し、勇気をもらった。祖国解放、分断と戦争、総聯結成と在日朝鮮人運動の高揚―朝鮮新報は激動の時代を生きる同胞の姿を伝えていた。祖国を想い民族のために励む人々だ。彼らの言葉が原稿となり喜怒哀楽の表情がフィルムに残された。そのようにして作られた紙面には時を超えて読み手の心を揺さぶる何かがある

▼今号に朝鮮新報の分局長を描いた映画「銀のかんざし」に主演したソ・ギョンソプさんのインタビューを掲載した。26年前、撮影のために訪日した際の思い出を語っている。「新幹線で移動中、止まらず通過するだけの駅のホームに立ち、私たちを見送ってくれた同胞たちの姿を見て目頭が熱くなった」。彼は日本でもらった朝鮮新報を今も大切に持っている。紙面を広げると活気に満ちた同胞社会の風景が心に浮かぶのだという

▼朝鮮新報は在日同胞の歩みと共にある。その紙面は「愛族愛国の歴史」の貴重な記録だ。大きな区切りを迎え肝に銘じたい。「在日朝鮮人運動の新たな全盛期」を切り開く現場を取材し読者に伝えるメディアは他にない。後世の人々の心に響く、そんな紙面を作っていかなければならない。(永)

[朝鮮新報 2011.3.11]