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「ついにその日が迫ってきた」。朝鮮高級学校の卒業式(6日)が目前に迫るなか、朝鮮学校への「高校無償化」適用を求める署名を集めるため街頭に立ったある日本市民は嘆いた。「苦悩、怒り、落胆…。朝鮮学校の子どもたちや保護者たちを思うと胸が痛む。本当に申し訳ない」 ▼この1年、何が変わり、何が変わっていないのか。鳩山、菅政権は、問題がクリアされようとする度に新たなハードルを課し、生徒や保護者を何度も傷つけた。差別は変わらず、変わったのは内閣の顔ぶれぐらいのものか−そうではない。「ピンチをチャンスに変えよう」と差別に立ち向かったことで、朝鮮学校は人々の注目を集め理解を深められた。署名運動や集会などを通じ、「顔が見える」交流と支援の輪が広がった。これらは今後のより広範な権利運動への足がかりとなる ▼ある朝高生の言葉が胸に響いた。「どんな困難に直面しても、決してあきらめずにがんばれば、必ず道は開け、応援してくれる人が現れる」。2月26日、兵庫・宝塚駅で決行されたハンストを支援しようと、帰宅した朝高生が夜8時に駅に現れた。次々と署名を得ていく姿に一同、勇気づけられた ▼結果が伴うに越したことはない。ただ、これだけははっきり言える。自らの手で権利を勝ち取ろうとたたかった朝高生たちは今後、同胞社会、世界の未来をも切り開いてくれるだろう。(天) [朝鮮新報 2011.2.28] |