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春・夏・秋・冬

 JR岐阜駅の北口を出ると、黄金の織田信長像が目に飛び込んでくる。高さ約3メートル、台座を含めると約11メートルにもなる。マントを羽織り、火縄銃と兜を手にしている。一方、再開発が進む駅前には古くからの繊維問屋街が広がっているが、空き店舗が目立ち閑散としている。像の派手さが余計に浮いて見える

▼像は2009年、岐阜市制120周年を記念して、市民らの寄付で建てられた。総工費は3千万円。反対意見を押し切り、企業や銀行の協力を得て募金を集めたそうだ。台座にはタイムカプセルが保管されており、10年後に開封する計画だという

▼岐阜(旧名=美濃)は信長の時代、楽市楽座令により全国から商人が集るなど栄えたという。戦後は、アパレル産業で栄えた。しかし、都市部との競争に耐えられず、規模は最盛期の4分の1に縮小。経済は「活力を失った」という。台座のカプセルには、「名づけの親」の信長にあやかり、町の再興を願う市民の思いが詰まっているのかもしれない

▼今年、岐阜の同胞社会は2大イベントを迎える。岐阜初中創立50周年行事と青商会「ウリ民族フォーラム」だ。主役は、10、20年前の「活力ある同胞社会を知る最後の世代」の青年たち。数百人の同胞が集い歌って踊って笑った「あの日の元気」を、もう一度取り戻そうと動き出した。「美濃を制する者は天下を制す」。期待がふくらむ。(天)

[朝鮮新報 2011.2.7]