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春・夏・秋・冬

 今年に入り、朝・日間で「対話再開」のシグナルが交わされている。前原外相は朝鮮との「直接対話」への意欲を示し、平壌は「時代のすう勢に符合した肯定的な動き」(朝鮮中央通信)と応えた

▼東京の官僚やメディアの世界では、外相発言の真意と背景をめぐり「憶測」が飛び交ったという。平壌に向けたアピールは、突発的な思いつきではないだろう。砲撃事件から2カ月、朝鮮半島では対話の機運が生まれ、中米も後押した。昨年末から関係国の動向を把握できる位置にいた政治家であれば、日本外交の舵取りに関してインスピレーションを得たとしても不思議ではない

▼朝鮮は、まず北南関係改善に着手した。国際情勢を先読み、新年早々「幅広い対話と交渉」を提案した。朝鮮問題を「深読み」するのが得意と自称する日本のメディアは、朝鮮の行動を「窮地に追い込まれ、支援を求めるため」と解説した。外相の情勢認識とは大きな開きがあるようにみえる

▼平壌が指摘した「時代のすう勢」に日本が順応できるだろうか。メディアの「反北朝鮮キャンペーン」に連なる保守勢力の抵抗が予想されるが、朝鮮メディアは「日本は過去清算の実践的措置をとるべき」との論調を展開している。日本が動けば、対応する準備はできているということだ。「手ごわい」(薮中三十二・前外務次官)とうならせる朝鮮外交はすでに始まっている。(永)

[朝鮮新報 2011.1.28]