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朝鮮で「サッカー特設班」設置 世界で戦える選手を

U−19アジア選手権の準決勝で南朝鮮代表と戦う朝鮮代表(2010年10月14日) [写真=聯合ニュース]

 近年、目覚ましい活躍を見せるユース世代のサッカー朝鮮代表。昨年もU−16(16歳以下)とU−19(19歳以下)のアジア選手権をそれぞれ制覇し、今年開催されるU−17(17歳以下)、U−20(20歳以下)の、2つのカテゴリーのW杯に出場する。ユース世代の強さは今後の朝鮮サッカーの試金石とも言える。

 今年、メキシコで開催されるU−17W杯に出場する朝鮮代表を率いるアン・イェグン監督(52)は、朝鮮代表の未来像は明るいと話す。

 アン監督は、「各カテゴリーの代表が昨年、アジアの大会で好成績を残すことで、朝鮮サッカーの潜在能力を示せた」と話しながら、「レベル向上のために傾けられている国家的な関心と、FIFA(国際サッカー連盟)、AFC(アジアサッカー連盟)の積極的な支援の中で、監督、選手たちの技術水準が、近年急速に高まっている。そして全国の小・中学校に特設班が設置されたことで、これから選手育成がより大々的に行われるようになるだろう」と展望を口にした。

 アン監督が指摘するサッカー特設班は、朝鮮国内で今年から始められた取り組みだ。これまでにも一部の学校には取り入れられていたが、今年から全国の小・中学校に、男女別に特設班が設置され、定期的に大小さまざまな大会が定例化されるという。

 特設班のモデルとなったのが、南浦市の中央体育学院だ。各地で選抜された有能な選手が、7歳から専門的にサッカーの技術や戦術を学んでいる。

 同学院では、特に基礎練習に重きを置き、2つの段階に分けて行っている。

 一つは7〜10歳の「3大基礎技術」の習得段階。3大基礎技術とはボールに対する感覚、バランス、足の俊敏な動きを指す。

 そして11〜12歳で、キック、ドリブル、トラップなど、サッカーの基礎技術とゲーム意識を育てる。

 同学院のユン・グァンス研究員(73)は、「幼い頃にしっかりとした基礎を積まなくては、いい選手には育たない。基礎を固めることで、その後の子どもたちのサッカー技術は飛躍的に伸びる」とその意義を話す。

 昨年、アジアを制したU−16、U−19の両代表にも同学院卒業生が含まれており、注目はますます上がった。

 現在、同学院で学ぶ子どもたちの中にも、将来を嘱望されている選手がいる。2年前に入学した、チョ・チンナムくん(9)は、スピードがあり頭脳が明晰で、将来代表に選出される選手に育つと注目されている。本人も「サッカー技術をしっかりと身につけて、世界的な選手になりたい」と抱負を語る。

サッカーの名門校

 一方、サッカーの名門校として知られているのが、平壌市の普通江区域青少年体育学校だ。メキシコでのU−17W杯に出場する朝鮮代表には、同校の卒業生が5人も含まれている。ゴールキーパーのアン・カンチョル選手、アジア選手権で4ゴールをあげたFWのチョ・グァン選手は、将来のフル代表候補としても注目されている。

 同校の特徴は、徹底したスカウティングと個人の特徴を伸ばすことに重点が置かれていることだ。

 男女別サッカークラブにはそれぞれ約90人が在籍し毎年、男女15人ずつがスカウトされるという。

 また、各選手の特徴を具体的に分析し、それを伸ばすための専門的な練習が行われる。1対1、1対2などの対人プレーやシュート、トラップなどの練習も、個々人の特性を伸ばす方向で行われる。前述のチョウ・グァン選手の場合は、先天的な足の速さと高い判断能力という長所を生かすためのプログラムが組まれた。

 キム・チョルホ指導教員(40)は、「これからもアジアだけでなく世界で戦える選手を育てたい」と語る。【平壌支局】

[朝鮮新報 2011.2.25]