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体連役員の新春会 2011年事業の目標を確認

スポーツでトンポネット拡大を

 「スポーツを通じて同胞ネットワークを広げよう」「ウリハッキョのクラブ活動の強化対策を」−関係者が一堂に会し、同胞スポーツ事業の振興策について熱い議論を交わした。20日、静岡県熱海市のホテルで行われた「2011年体育役員たちの新春の集い」では、在日本朝鮮人体育連合会(体連)傘下の組織が今年進める事業の方向性と目標達成のための方策などが話し合われた。

「支部にサークルを」

今年進める事業の方向性と目標達成のための方策などを話し合った

 新春会には金露顕会長をはじめとする体連の役員、各地の体育協会(体協)と各種目別競技協会の関係者、そして総連中央民族圏委員会の金尚一副委員長が来賓として参加した。

 「在日朝鮮人運動の新たな全盛期」(総連第22回大会報告)を切り開くうえでスポーツが果たす役割は大きい。体連関係者は「『全盛期』開拓のために地域運動の拠点となる総連支部にスポーツサークルをたくさんつくる。国際舞台で活躍するスポーツ人材を同胞社会から輩出することも重要なプロジェクトだ」と語った。

 新春会参加者たちの関心も「時代のニーズに応えるスポーツ事業」にあった。

 金露顕会長は新春会のあいさつの中で、サッカーW杯への同胞選手出場、大阪朝鮮高級学校のラグビー「全国大会」3位、朝鮮大学校出身ボクサー李冽理選手の活躍など昨年、同胞社会に力と勇気を与えたスポーツ分野の成果について言及し、「体育協会、種目別競技協会が今年の事業を通じて同胞社会をいっそう盛り上げ、総連運動の『全盛期』を切り開くのに貢献しよう」と述べた。

 新春会では2011年度の体連の主要事業に関する報告があった。

 今年、体連は▼「トンポアイネット拡大21」に照準を合わせた大衆的なスポーツ活動の展開▼ウリハッキョのスポーツクラブ強化による人材育成▼祖国のスポーツ事業への貢献、スポーツを通じた民族団結と日本市民との交流▼傘下組織の強化などに重点を置き活動を展開する。

 「トンポアイネット拡大21」と関連しては、各地の体協、種目別競技協会が総連の本部、支部、団体組織と協力し、大衆的なスポーツイベントを地域別、種目別、世代別に開催することを通じて、さまざまななスポーツサークルを結成していくという目標が掲げられた。

 また「見るスポーツ」分野の拡大も重視している。体連の広報事業を強化し、各地で行われるスポーツイベントを広く案内することで、祖国の選手、ウリハッキョの生徒が出場する国際大会、対外試合をより多くの同胞が観覧、応援するようにするという。

本格的な取り組みに向け

 新春会では、「スポーツ事業の大衆化」と「ウリハッキョのスポーツクラブ強化」をテーマに討論が行われた。

 埼玉体協の黄雲海会長は、分会対抗ソフトボール大会など、大衆イベントの定例化について、東京体協の林健吉理事長も東京で行われてきたスポーツフェスティバルの運営経験などについて語った。また兵庫体協の黄泰益会長は体協常任理事会の制度化による成果、登山協会の金載英会長は成功裏に終えた「100名山」運動について述べた。

 また、ウリハッキョのスポーツクラブ強化と関連しては、大阪体協の張雄鐘理事長、サッカー協会の李康弘理事長、バスケットボール協会企画部担当の鄭竜基氏、ボクシング協会の李容吉理事長が発言した。張雄鐘理事長はスポーツクラブの活動がウリハッキョの存在を内外にアピールし、民族教育の権利擁護運動を後押ししていると語った。

 活発な討論が行われた新春会では、4月までに「学校スポーツクラブ強化協議会」を発足させることも確認された。「協議会」はウリハッキョの実情に沿った方法でクラブの活動を強化し、有能なスポーツ人材を体系的に育成するための対策を研究、実践する会だ。W杯に出場した同胞選手を目標に国際舞台で活躍するウリハッキョ卒業生を増やすための本格的な取り組みが始まることになる。

 この日、新春会に先立ち朝鮮半島情勢に関する講演があり、夜には宴会も行われた。(金志永)

[朝鮮新報 2011.2.23]