世界戦の応援席から 「悔しさバネに再起を」 |
WBA世界スーパーバンタム級王者として初防衛戦(1月31日、東京・有明コロシアム)に臨んだ李冽理選手は、同級6位の下田昭文選手に判定負けを喫し、初防衛を逃した。 この日、会場には約1,000人の応援団が駆けつけていた。恒例となった真っ赤なTシャツに、同胞、関係者のみならず、多くの日本人ファンが身を包み、ともに声援を送った。 大応援団を率いるのは、「李冽理選手応援会」だ。李選手の巨大な垂れ幕が掲げられた応援席の先頭にたち、赤いのぼりや統一旗を翻しながら、試合中、ラウンド間に「レーツリ!レーツリ!」と声をからしながら熱い声援を送りつづけた。 12回戦終了後、「悔しい。勝たせてやりたかった」と応援会役員らは目に涙を浮かべながら漏らした。 金貴成会長は、「相手が強かった」と試合を振り返りながら「でも、これで終わりじゃない」と強いまなざしで話す。「今回の結果は負けてしまったが、冽理は再チャレンジして、王座を奪い返してくれると信じている。だから応援団も、冽理がいいときも悪いときも、ボクシングをやめると言い出すまでは、変わらず支え応援し続けていく」。 車葡月末ア局長は、「王座を守ることはそれだけ難しいこと。応援会は冽理に力を与えるための団体として、これからも応援活動をしていく。今はとりあえずゆっくり休んでほしい」と話した。 一方、同胞応援団も李選手の再起に期待を寄せている。試合終了後、退場する李選手に客席からは拍手とともに「本当によくがんばった。おつかれさま」などの声が飛んでいた。 文暎玉さん(28、東京都在住)は、「下積み時代から応援してきた。冽理を長年応援してきた分、この結果へのショックは大きいけど、負けじと再チャレンジして、また王座に返り咲いてほしい」と語った。 「朝大出身、在日として堂々と世界の座につき、名を轟かせてきた李選手はすごい」と話したのは、現在、朝大ボクシング部に在籍する朴満基さん(4年生)だ。李選手とスパーリング練習を行ったこともある朴さんは、「惜しくも負けてしまったが、王座奪還に向け、これからもがんばってほしい。洪昌守選手を越えるボクサーになってほしい」と話した。 初防衛戦に大阪から駆けつけた同級生の宋世博さん(28、大阪朝高ボクシング部監督)は、「ボクシングの世界チャンプになるということだけでも、並大抵のことではないし、初防衛への緊張もあったように思える。冽理なら、この悔しさをバネに絶対に再起してくれるはず」と期待を語った。 [朝鮮新報 2011.2.1] |