チャリティーCD 各地歌舞団が共作、6月6日発売 |
日本各地で活動する7つの朝鮮歌舞団(東京、東海、京都、大阪、兵庫、広島、福岡)が共同で、東日本大震災の被災者を励まし復興を支援するためのCDを制作している。CDには歌舞団が歌い同胞に愛されている曲、阪神淡路大震災の時に制作された曲などが収録される。発売は6月6日予定。被災地には無料で配布し、他の地域では販売し売り上げを義援金に充てる。インターネットを通じたダウンロード販売も行われる予定だ。
被災地に歌と力を
福島県相馬市が実家の広島朝鮮歌舞団の河弘哲団長(31)は震災後、広島同胞が集めた支援物資を被災地に届けた。原発事故の地元でもあり、その被害に苦しむ地元・福島、校舎が傾いた母校・東北朝鮮初中級学校などで苦しい現状を目の当たりにし、大きなショックを受けたという。「行く前は1曲でも歌ってみんなを励まそうと思っていたが、とてもそんな状況ではなかった」。 団長会議では、歌舞団が何をすべきかが話し合われた。被害が甚大で被災地が広範囲に渡り、同胞が離れて住んでいるため、現地での公演は難しい。それでも「人はうれしい時も、悔しい時も、悲しい時も歌を歌うもの」「歌や芸術を通じて同胞に力を与えるのが歌舞団の役目」と考え、歌を届けることに決めた。 茨城県出身の金愛美団員(22、東京)は日立市に住む家族が被災した。自宅にはひびが入り、食器などが割れ、数日間はライフラインがすべて遮断されたという。
「茨城の被害はあまり報道されないが、想像を超える被害で、避難所で生活する人も多い。そんななか、各地の歌舞団が多くの支援をしてくれた。団員たちの思いやり、同胞や組織の絆の強さを実感した。復興には時間がかかると思うが、私も団員としてできる限りのことをしたい」
河団長と金団員は2重唱「子どもたちよ、これが私たちの学校だ(아이들아 이것이 우리 학교다)」を収録した。 一方、初級部3年生の時に阪神淡路大震災を経験した兵庫朝鮮歌舞団の韓将植事務局長(25)は「当時、兵庫の同胞や学校は各地の同胞に支援してもらった。少しでもその恩返しができれば」と語る。 初めての収録で、「本当に喜んでもらえるのか」と戸惑う団員もいるが、「被災地の人々と一緒に歌う気持ちで一生懸命歌う」(金慶愛、26、大阪)と、収録に熱心に臨んだ。 徐明生副団長(30、東京)は「被災者を元気づけ、少しでも多くの義援金を集めたい。時期を見てCDを被災地に届け、公演もできればいい」と語る。 収録は東京、大阪、広島、福岡で行われた。現在、編集作業が進められている。 収録を取り仕切った河団長は「被災地の子どもたちが歌でも聴いてみようという気持ちになった時に、歌舞団の歌を聞いて少しでも楽しい気持ちになってくれれば。子どもたちが楽しめば、きっと大人も元気になると思う」と語る。被災地の復旧は、長い時間が掛かると見込まれている。今後、2枚目、3枚目の収録にも意欲を示している。 [朝鮮新報 2011.5.17] |