米国人マジシャン デイルIBM局長に聞く |
夢は「朝米マジック外交」 【平壌発=鄭茂憲】朝鮮初のグランドイリュージョンショー(4月18日〜5月18日)が平壌のメーデースタジアムで行われている中、世界マジック連盟(IBM)の企画および招待局長であり、米国の由緒あるマジシャン養成学校「CHAVEZ STUDIO OF MAGIC」で講師を務める米国人マジシャンのデイル・サルワーク氏が2〜5日に訪朝した。 4日、本紙のインタビューに応じたデイル氏は、この日、朝鮮マジック協会に対しIBMの特別賞を授与したことを明らかにした。朝鮮マジック協会はIBMへまだ加盟していないが、特別賞の授与は加盟に向けた大きな弾みになるという。デイル氏はまた、朝米両国のマジシャンたちの交流を実現したいと語った。
−朝鮮のマジックのレベルは。
世界的に見ても、とても高いと感じている。 09年の「4月の春親善芸術祭典」に招待され、初めて朝鮮のマジシャンたちによる公演を観覧したが、そのレベルの高さに驚かされた。熟練され、観衆を楽しませる要素も備わっており、完成された公演だった。技術的にも最先端にあり、また独創性にも富んでいる。 米国と違い、朝鮮は長い歴史を有している。朝鮮のマジシャンらの原点にあるのは、民族的自負心なのだと感じている。 私は、米国と朝鮮のマジシャンたちとが交流する場が必要だと感じている。両国のマジシャンたちが自分たちの経験や意見を交換することができれば、双方の発展につながるだろう。 −朝米のマジシャンたちが交流する場をどのようにつくるつもりか。 まずは来年の「4月の春親善芸術祭典」(金日成主席生誕100周年記念)に参加するため、米国のマジシャンたちで代表団を組んで訪朝したいと考えている。 また朝鮮マジシャンたちによる米国公演も計画している。来年7月にバージニア州で行われるIBMの年次大会に彼らを招くつもりだ。今回、朝鮮マジック協会に正式に招待状を手渡した。彼らも訪米を実現するための準備を本格化させるだろう。
−朝米間のマジシャンたちの交流はどのような意味を持つのか。
1970年代、米国と中国は国交樹立に先立ち、「ピンポン外交」を行った。私は、マジックで、米国と朝鮮を「近い国」にしたいと考えている。 朝鮮の人の多くは、「夢のない人の生活は幸せではない」という価値観を持っていると聞いた。朝米のマジシャンたちが両国を行き交う「マジック外交」を実現することが私の夢だ。 文化交流は大きな力を持っている。朝鮮で出会った人たちと交わした友好親善の情は、何ものにも代えがたいものだ。 2009年の訪朝以来、また訪れたいという気持ちをずっと抱いていた。その願いが今回、実現できてうれしく思う。いま振り返って見ると、これまで私が歩んできた人生は、朝鮮に来るための準備だったのではないかとさえ感じている。 [朝鮮新報 2011.5.16] |