文芸同兵庫主催 朝鮮舞踊の夕べ「華のように」 |
芯の強さ 楽しく表現 第5回朝鮮舞踊の夕べ「華のように」(主催=在日本朝鮮文学芸術家同盟兵庫支部舞踊部)が1日、芦屋市民センターで行われた。客席は650人以上の同胞、学生らで満席となった。同公演の開催は8年ぶり。朝鮮舞踊を愛する同胞舞踊家、愛好家たちが力を合わせ開催にこぎつけた。出演者たちは「朝鮮女性として力強く、美しい花のように輝き、朝鮮舞踊を楽しみながら生きていきたい」との願いを表現。優雅で美しく、時に力強い踊りで観客を魅了した。
「朝鮮女性の強さ実感」
公演は3部構成。第1部「異国に咲く花」、第2部「祖国を思い描いて」、弟3部「永遠に咲く花」。文芸同の舞踊家、愛好家、兵庫朝鮮歌舞団の舞踊家、そして県下の初、中、高すべての朝鮮学校舞踊部も出演した。 文芸同は「鳳仙花」「仮面の踊り」など民族的情緒あふれる演目を次々と披露。客席では感動のため息と拍手が交錯した。「オモニ!」「ソンセンニム!」といった声援も飛び交った。 群舞「海の歌」には、兵庫の同胞青年男性たちが友情出演。文芸同の舞踊家たちにリードされながら、漁師の様子を力強く表現し、観客を沸かせた。 最後はチャンゴやプク、サンモが入り乱れる農楽で締めくくった。 観客は「兵庫の同胞は芸術水準が高いと言われるが、それを見事に示してくれた」「朝鮮舞踊の美しさはもちろん、朝鮮女性の芯の強さも感じた」「朝鮮舞踊と一言で言っても、これだけの幅があるのかと驚いた。朝鮮舞踊をお腹いっぱい楽しんだ」などと感想を残した。
若い世代が汗流し
出演した文芸同のメンバーは、20歳から42歳と幅広い。成人組(主に既婚女性)と朝青組に分かれて昨年6月から週1回集まり練習に打ち込んできた。金剛山歌劇団や兵庫朝鮮歌舞団に在籍していた舞踊家の他に、文芸同の舞踊コンクールを観覧したのを機に、「もう一度舞台に立ちたい」と練習に参加するようになった舞踊経験者たちもいる。一人で4つの演目に出演したメンバーもいた。 文芸同兵庫支部舞踊部長の文由美さんは「職場や家事、子育てに追われるなかでも、みんなが公演の成功のために力を合わせて練習に励んできた。ウリハッキョの生徒たち、朝青の男性たちが出演してくれたおかげもあって、多くの同胞が観覧し、大成功したと思う。みんなに感謝したい」と述べた。 彼女たちにとって朝鮮舞踊は「生きがい」。「なくてはならない存在」だという。それでいて、練習の場が同胞女性同士、心を通わせ助け合う温かい場にもなっているという。 文芸同兵庫支部委員長の金京愛さんは「華やかな舞台の裏で、若い世代が先輩の厳しい指導にも根を上げず一生懸命練習し、つらい準備作業もこなしてきた。舞踊経験者も集まった。これを機により一層メンバーを増やし、総合芸術公演の開催につなげたい」としながら、芸術分野から同胞ネットワークの拡大に拍車をかける意欲も示した。(李泰鎬) [朝鮮新報 2011.5.12] |