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〈私たちのうた〉 公徳歌

公徳とは−
公の徳、人の道を守ることです
人として力を尽すべきことです
易しく例えを述べるので
耳を傾けてごらんなさい
花木は折らず 落書きもせず
学校の机や備品に愛着を持ちなさい

借りた物はすぐに戻し
時間、約束はきちんと守り
ひとに迷惑をかけないこと
侵してはならぬ場所は侵さず
触れてはならぬ物には触れず
話してはならぬことは話さず

道で拾った落とし物
持ち主は誰かと巡査に届ければ
その善行に 人の心は打たれるもの
硝子の破片が落ちていれば拾い
道行く人が怪我せぬように
目に見えぬその徳が やがて
思いやりを呼ぶことでしょう

建物や乗り物の出入り口で
人を押しのけてはいけません
見苦しく、思いやりの無いことです
汚物を捨てれば周りが汚れ
伝染病が人にうつってしまうように
意地悪も−汚くて不衛生なものなのです

外国人を嫌ったり差別してはいけません
世界の友の声に耳を傾けなさい
人と国を愛して尽くし
敬い尊び厚く施しなさい
我も人なり 彼も人なり
愛しむべきこの世の僕
我も生きもの 彼も生きもの
哀れむべきこの世の六畜
おやめなさい おやめなさい
差別を− 迫害を−

1910年

(現代朝鮮文学選集6「啓蒙期詩歌集」、90年・文芸出版社)

(作者未詳)

[朝鮮新報 2011.4.25]