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第15回大阪学生会文化公演、朝鮮人として歩む「新しい一歩」

歌とダンス「はじめの一歩」

民族打楽器演奏「サムルノリ」

 第15回大阪学生会文化公演「우리가 가는 길(私たちが歩む道) 踏み出そう、新しい一歩」(主催=同実行委員会、後援=大阪府教育委員会、大阪市教育委員会)が21日、クレオ大阪西部館で行われ、出演者の家族や友人、教員らを含む同胞、日本市民が観覧した。

 学生会OB、OGの姿もあった。公演に先立ち、成耆晃・実行委員長(朝青大阪府本部委員長)が東日本大震災の救援募金への協力を呼びかけた。

 公演に出演したのは日本の高校、中学に在学する大阪の同胞らによる学生会(日本学校在学朝鮮学生会)のメンバーたち。約2カ月間、大阪朝鮮歌舞団や朝青員らの指導の下、練習に励んできた。そして、これまでの活動を通じて培った民族心と朝鮮人としての誇りを、朝鮮の歌や踊り、民族打楽器演奏、漫才や創作劇で披露した。

 24人が出演したサムルノリは迫力満点で、観客を大いに沸かせた。学生会OB、OG、交流のある大阪朝鮮高級学校の生徒たちも友情出演し、歌や踊りを披露した。

 朝鮮舞踊「チェンガンの舞」を披露した姜由恵さん(中2、生野東)の母親は、義母や親戚とともに娘の晴れ舞台を見に来た。チマチョゴリを着て朝鮮舞踊を踊る娘の姿を初めて見て、「毎日のように練習に励んでいたので楽しみにしていた。娘がきれいで一番輝いていた」と感激しっぱなしの様子だった。

活動で出会ったトンムと共に

創作劇「踏み出そう、新しい一歩」のエンディング

出演者、スタッフの記念撮影

 創作劇「踏み出そう、新しい一歩」は、出演者の熱演もあって会場を笑いと感動に包んだ。物語は、朝鮮人であることを打ち明けたところ、いじめに遭って自殺まで考えた少年が、学生会や朝高生との出会いを通じて朝鮮人としての誇りを取り戻し、朝鮮人として生きていく決意をするまでの葛藤を描いた。随所に笑いも取り入れられ、学生会の活動の様子が垣間見られる場面もあった。

 主人公を演じた尹誠悟さん(高1、八尾柏原)は「サマースクールなどで主人公と似たような体験をした人の話を聞いたことがあったので、感情移入することができた。2カ月間の練習を通じて自分自身、成長できたと思う。これからは学生会を引っ張る存在になりたい」と語った。

 朝青委員長役を務めた梁貴裕さん(高2、生野東)は、個人的な事情から出演の辞退も考えたというが、「がんばっているみんなの顔を見て踏みとどまった。最後までやり切れてよかった」と笑顔で語った。

 出演者たちはみな、学校や住む地域が異なる。そのため練習時間の調整やモチベーションの維持に苦労し、揉めることもあったという。

 リーダー的存在としてみんなをまとめた呉桃子さん(高3、東阿)は学生会を「卒業」する。「学生会の活動に参加した3年間、つらいことも多かったが、朝鮮人としての自分を確立できたと思う」と振り返りながら、「今後はOGとして後輩の手本になれるよう、朝青活動にも積極的に参加していきたい」と語った。

 公演の最後にあいさつした李直子会長(高2、河北旭都)は、会場に駆けつけた人々、朝青員らに感謝し、学生会の活動を通じて出会った「トンム(友)」たち、朝高生たちと共に「朝鮮人としての新たな一歩」を歩んで行きたいと語った。(李泰鎬)

[朝鮮新報 2011.3.26