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留学同関東結成65周年記念 文化公演「躍動」

同胞社会の担い手に

出演者らは留学同の歴史、業績を受け継ぎ、これからの在日同胞社会を担っていく思いを表現した。

 留学同関東結成65周年を記念する文化公演「躍動」が2月14日、東京都荒川区の日暮里サニーホールで行われ、300人の観客がつめかけた。文化公演は、留学同中央本部と、東京、西東京、埼玉、神奈川の4つの関東の留学同本部が主催したもの。

 文化公演には4つの地方の大学や専門学校に通う同胞学生たちが出演し、65年の歴史の中で積み重ねられた業績を受け継ぎ、これからの在日同胞社会を自らが担っていくという思いを歌や踊り、演劇で表現した。昨年9月から合宿をもつなど準備を進めてきた。

 オープニングは、公演のタイトルを冠したサムルノリ「躍動」でスタートした。武蔵野音楽大学の金理花さん(3年)が作曲したもの。引き続き、映像と語りで留学同関東の65年の歴史と現在の活動を紹介した。女声重唱「ひとつ」、舞踊「鈴の舞」、男声重唱「籠馬車走る」、楽器アンサンブル「海の歌」と色とりどりの演目が披露された。

 特に観客の心を揺さぶったのが「ウリマルスピーチ」。金泰崇さん(明治学院大学3年)と李友華さん(聖心女子大学4年)の二人が、留学同活動の中で学んだこと、同胞の仲間とのふれあいの中で感じたことなどを感動的に語った。

 公演の2部では、演劇「私が見た世界」が披露された。初めて南の故郷を訪れた主人公・彩香が、植民地時代の朝鮮や4・3事件当時の済州島、維新独裁時代の在日同胞学生の活動の現場などにタイムスリップする過程で、同胞たちの闘いと統一に対する思いを知るというもの。演じる学生たち一人ひとりが分断の歴史にピリオドを打つために今を生きる自分たちが責任を果たさなければならないという思いが凝縮されていた。

 主役の彩香役を演じた金陽里さん(東京福祉大学1年)は、「生まれた時から祖国は分断されていて、それが当たり前だという感覚でいた。しかし、統一のために闘い、いつかは統一されると信じている人たちがいる。また、1世たちの多くは、離散家族となり会えないままこの世を去っていった。そういうことを彩香を演じることでより実感することができた。若い世代の一人として統一実現の為に頑張らないといけないと思った」と感想を語った。

 この日、多くの保護者が会場に駆けつけ、息子・娘たちの舞台を見守った。演劇でハラボジ役を演じた李聖規さん(埼玉大学4年)の父、李徳賢さん(53歳)は、「今日の演目はみんな素晴らしかった。統一をテーマにした演劇をしたのも良かった。息子が留学同活動をやっていることは知っていたが、ここまで熱心にやっているとは思わなかった。留学同に出てから、何でも率先してやるようになり積極性が出てきた。友だちもたくさんできて喜んでいる。今日は、若い世代が頑張っている姿を見て自分たちの世代も頑張らないといけないと刺激をもらうことができた」と子どもたちの舞台を評価していた。

 公演のエンディングは、出演者全員による合唱「バトン」。歌の後で文化公演の実行委員長を務めた呂仁花さん(東洋大学4年)があいさつに立ち、「さまざまな日本の大学に通う同胞学生がこのように集まり公演を行うというのは奇跡的なこと。留学同という貴重な『マダン(場)』があるからこそ。この場に結集した新しい世代の私たちが、これから在日朝鮮人運動の先頭に立っていく」と決意を表明した。(琴基徹)

[朝鮮新報 2011.3.7]