金剛山歌劇団歌手 「永遠のパートナーに」 平壌の舞台で結婚宣言 |
【平壌発=姜イルク】14日に朝鮮の平壌大劇場で幕を開けた在日朝鮮芸術団による音楽舞踊総合公演(〜18日)。金剛山歌劇団によるきらびやかなステージは、平壌市民を朝鮮芸術の深淵へと誘っていた。 「アクシデント」が起きたのは、公演中盤。「総連歌謡メドレー」の中、「パートナー(原題『길동무』)」での一幕だった。 在日同胞が作詞作曲したこの歌は、同胞の結婚式で流れる定番曲とも言える。すばらしい歌声をデュエットで披露した黄炳帥さん(32)と金南娟さん(24)が間奏中にセリフを発した。 「私たちはもうすぐ一つの家庭を築きます。私のパートナーは本当に美人でしょう?」 「互いに支えあう、永遠のパートナーになります」 2人の予期せぬ結婚宣言に、会場は温かい拍手と笑いに包まれた。 この「サプライズ」を発案したのは、公演の演出を担当した黄さんの弟の炳柱さん(25)だった。歌劇団の幹部からも後押しされただけでなく、朝鮮の公演責任者も喜んで承諾してくれた。 黄炳帥さんはこれまで毎年のように朝鮮での公演舞台に立ったが、会場を包み込んだ雰囲気の温かさは今まで以上だったという。 「感慨深かった。在日同胞の一人にすぎない私たちの結婚宣言を、あれほど喜んで割れんばかりの拍手を送ってくれたことが本当にうれしかった」 黄さんは1999年に、金さんは06年に金剛山歌劇団に入団した。2人が愛を育んだのも、これまでの平壌での練習や公演の日々だったという。 歌劇団が朝鮮滞在中に宿泊する平壌ホテルの従業員たちは、そんな2人の姿を見守ってきたが、ある女性スタッフは「まさかステージの上で結婚を宣言するとは夢にも思わなかった」と驚きながら、「本当にうらやましい」と話した。とくに黄さんの「私のパートナーは本当に美人でしょう?」という言葉がとても印象深かったという。 金さんは「最初は恥ずかしくて仕方がなかったけど、みんなに祝福されると、私たちが本当に結婚するんだと実感した」と笑顔を見せた。 黄さんは、自分たちを祝福するために尽力してくれた人たちに感謝の言葉を述べながら、「その期待と愛情に応えるためにものどがかれるまで2人で歌い続けたい」とはにかんだ。 2人は5月1日に結婚式を挙げる予定だ。 [朝鮮新報 2011.2.23] |