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岡百合子さんが歩み語る 「女性と併合100年」学習会

講演する岡百合子さん

 「女性と併合100年」と銘打つ学習会が1月22日、総連東京・新宿支部の会議室で開かれた(主催=「東京日朝女性のつどい」)。同胞、日本の女性たち約30人が参加した(写真)。

 この日の講師は、中学・高校の教師として若い世代に日本や世界の歴史を教え、「中・高校生のための朝鮮・韓国の歴史」(平凡社文庫)などの著書を持つ朝鮮史研究会の会員・岡百合子さん。在日の作家、高史明さんと1955年に結婚して以来、半世紀以上の歳月を共に歩んできた。

 岡さんは「朝鮮と私、そして夫」と題する講演の中で、自らが刻んだ戦後史の歩みを語った。

 1950年にお茶の水女子大学へ進学した同氏は、日本敗戦、朝鮮戦争などの激動期のなかで、社会主義思想や共産党に信頼を寄せていく。そうした中で夫と出会い、結ばれていく当時の時代状況などに触れつつ、「自己のなかにあった、朝鮮認識の乏しさ」についても率直に語った。

 

 たとえば、結婚後、山口県下関の彦島にあった高さんの実家に2人であいさつに行ったとき、岡さんは初対面の義父への配慮から、和服を着ていった。しかし、朝鮮人が和服に対して複雑な思いを抱いていたことを当時はまったく知らず、「そのことをずっと後になって知った」と語った。「叔母たちによって、代わりにチマ・チョゴリを着せられました」と言うと場内は笑いに包まれた。東京・山の手の医者の家で育った岡さんの実家とはまた異なる、彦島の家族・地域の在日朝鮮人らの温かい歓待ぶりは今でも忘れられないと話した。

 また、日常のニュースで朝鮮バッシングなどが続くと「機嫌が悪くなる夫」と「日の丸・君が代には反対だが、普段は日本人として安住している」自らの間は、55年たっても解消されていないものがある、などと述べた。(粉)

[朝鮮新報 2011.2.18]