top_rogo.gif (16396 bytes)

朝大校教育学部音楽科創設45周年記念 音楽科合同演奏会−継承

東京・小平市で350人が観賞 心打つ名曲に感動の声

 朝鮮大学校教育学部音楽科創設45周年記念「第15回音楽科合同演奏会―継承―」が5日、東京・小平市にあるルネ小平で盛大に行われ、同校卒業生、金剛山歌劇団、同胞音楽家・愛好家、学父母、学生、日本市民など約350人が鑑賞した。

独特の響きに涙

女性重唱「涙そうそう」

器楽重奏「トラジ」

 公演1部には同校音楽科の1、2年生が出演した。女声合唱「希望」、ピアノ独奏「アリラン」、女声重唱「涙そうそう」、女声独唱「温かい祖国の懐で」、器楽重奏「トラジ」、女声重唱「こころ軽やか」、オーボエ独奏「故郷を眺めながら」、女声合唱「アリラン」が演奏された。

 2部に先立ち、音楽科連合同窓会の安敬一会長があいさつし、「在学生やOBたちが日頃磨いた芸術を披露する舞台を今年も提供できたことに喜びを感じている。これからも全面的にバックアップしていきたい」と述べた。

 2部では、女声独唱「わが故郷」、ピアノ独奏「鯉明水の朝」「ショパン練習曲OP・25―1エオリアンハープ」、ピアノ4重奏「故郷の夜」、ソヘグム2重奏とピアノ「アリラン」「ひばり」「チャルダッシュ」、女声合唱「心はひとつ 心にひとつ」が披露された。

 学生責任者である韓裕伊さんの母親の朴未修さん(54)は、「世代が変わっても伝統が受け継がれていること、出演者たちの演奏のすばらしさに感動した。これからも同学部が社会で通用する人材を育てる学びの場であり続けることを願っている」と話した。

 練馬区からきた鈴木満郎さん(64)は、5年ほど前から毎年同公演を観覧している。

 「10年前に初めて朝鮮音楽を聴いて以来、すっかり魅了されてしまった。日本にはない独特の旋律や響きに感動して涙が出る。こんなにすばらしい音楽があるとは知らなかった」と感想を述べた。

音楽で友好関係を

「故郷の夜」を披露する武蔵野音大OB

「鯉明水の朝」で会場を沸かせた朴明順さん

 2部で賛助出演した同校音楽科OBである金剛山歌劇団の李紗栄さん(歌手)、日本各地はもとより海外でも活発に演奏活動を行っている河明樹、尹慧瓊さん(共にソヘグム奏者)、李綾香さん(ピアノ奏者)、この日のために福岡から駆けつけた朴明順さん(ピアノ奏者)らが舞台に上がり、腕前を披露した。

 朴さんは、約40年間のブランクを超えて2年前からピアノの練習を再開した。朝大の盧相鉉教授とは同級生で、同氏の作品を広めたいという一心から同教授作曲の「鯉明水の朝」を披露した。

 「学生時代に弾き込んだ基礎が残っていたのでどうにか無事終えることができた。久しぶりの舞台で緊張もしたが、また演奏できてよかった。さらに技術を高め、演奏を続けていきたい」と話した。

 また、朝鮮を代表する女性作曲家であり、数々の交響曲を世に送り出した文鏡玉氏(1920年2月1日〜79年3月12日)の代表作である「故郷の夜」を、武蔵野音楽大学OBである高橋暁氏ほか4人が演奏した。

 同氏らは、オーケストラやフリーの演奏家として現在活動中だ。1940年代、同大学に在籍していた文鏡玉氏の名曲を後輩たちで披露しようと、快く出演を受諾した。武蔵野音大楽器博物館の守重信郎主任(52)は、「文鏡玉氏の曲はロマンにあふれ歌うような美しさがあり、シンプルだが心打たれる名曲である。これからも音楽を通じて日朝間の交流に役立ちたい」と語った。(尹梨奈)

[朝鮮新報 2011.2.9]