top_rogo.gif (16396 bytes)

何処へ頭を垂れようか-金龍澤-

何処へ頭を垂れようか
朝露を払いながら
田んぼ道を歩いてくる農夫に
凍った土を突き破り芽を出す杉菜に
氷に閉じ込められた
地球の眼のようなカエルの卵に
生えてくるおたまじゃくしの足に
毎日其処へと越えてゆく太陽と、
上る月と星たちに、そして真っ暗な夜に
自然に熟してポトリと落ちる杏に
大きな木の下でまぁるく座って遊ぶ
村の子どもたちに
草むらにおとなしく座ってむ牛に
魚たちが行ったり来たり泳ぐ川水に
草取り鎌を手にしたオモニの
土のついた手に
その手の親指―第二関節にある
真昼に浮かんだ弦月のような傷跡に
飛びゆく黄色い蝶と 白い蝶と
燕と ジョウビタキに
宵に独り酒を飲み酔う詩人に
雪を最後まで背負って立っている
背の曲がった大きな枝垂れ松に
翼を怪我した鳥と
鳥の嘴に咥えられた青虫に
雨降る秋の夕暮れ 昔からの山間の村
裏山に立ち続け
雨に真面にうたれる欅の木に

私は 頭を垂れよう

 (金龍澤詩集「だから貴方」、06年4月・文学の村)

 キム・リョンテク(1948年~)

 全羅北道任實生まれ。82年に創批21人新作詩集「消えることなき松明で」に「蟾津江1」などを発表し、登壇。金洙暎文学賞、素月詩文学賞を受賞。詩集「蟾津江」「晴れた日」「貴方、突き進む愛」「彼女の家」「木」「恋愛詩集」、童詩集「豆よ、君は死んだ」「僕の糞、僕の飯」などがある。(選訳・金栞花)

[朝鮮新報 2011.2.7]