パランコンサートvol.8 東京・新宿で150人が観覧 |
若者の力で同胞音楽界に新風を
在日コリアン若手音楽家たちによるクラシックコンサート「パランコンサートvol.8」が14日、東京・新宿にある角筈区民ホールで行われた。 公演を、音楽愛好家、出演者の家族、友人など約150人が観覧した。 公演では「ピアノとマリンバのための『人の輪』」(孫東勲)、「華麗なるポロネーズop.4」(H・ヴィエニアフスキー)、「懐かしい江南(安箕永)、「パンダル(半月)」(尹克榮)、「オーボエ・ソナタ」(G・ドニゼッティー)、「Art where it lives」(趙世顕)、「エチュード第5番」(尹伊桑)、「ピアノ5重奏曲」(R・シューマン)他、全15曲が披露された。 ペアもしくはトリオでアンサンブルを組んだ作品を基本とし、朝鮮の歌をクラシック用にアレンジされたものや、パラン代表の趙世顕さんとメンバーである孫東勲さんが作曲した作品なども演奏され、終始拍手が沸き起こった。 若者たちの力で新しい同胞音楽を作って世に送り出し、自分たちの力で新たな風を吹かそうと今年も行われたパランコンサートは、2002年から毎年途切れることなく行われてきた。 趙さんは「育ってきた環境がお互い違ういろんな同胞音大生、音楽家たちが一つの場に集まって演奏できることがすごいことだと思う。これからもこのような機会の場を設け、輪を広げていきたい」と語った。 同グループでピアニストの鄭理耀さんは「広島朝高の同級生だった李令貴さん(パーカッション)と初めて同じ舞台に上がることになった。パランコンサートがなかったらこんな機会もなかったと思う。これからも自分たちの演奏で希望あふれる楽しさ、喜びを伝えていきたい。そして何よりも、在日の存在をもっとアピールできれば」と笑顔で話した。 埼玉県から来た金珠玉さん(47)は、娘の金理花さん(ソプラノ歌手)が舞台に立つ姿をこの日初めて観た喜びを語りながら、「こうした経験を多く積み、お互い影響し合いながらがんばってほしい。そして世界の舞台で活躍し、在日の名を広めていってほしい」と期待感を表明した。 数カ月前から崔樹瑛さん(バイオリニスト)のレッスンを受けているという、神奈川県相模原市からきた石林さん(50代、男性)は「自分たちで文化を開拓し、これからの音楽界を背負っていこうという在日の若者たちのエネルギッシュなバイタリティーには驚くばかりだ。みんな技術もプロ並みで感動した。これからもさらに上を目指してがんばってほしい」と応援の言葉を残した。(尹梨奈) [朝鮮新報 2011.1.21] |