〈第33回在日朝鮮学生「コッソンイ」作文コンクール〉 1等14編など1071編の応募作品 |
学校生活、家族など朝鮮語でいきいき表現
朝鮮学校に通う初・中・高級部の児童・生徒らを対象に、1978年から毎年行われている「コッソンイ(꽃송이=花房)」作文コンクール(主催=朝鮮新報社)の入選作品87編が決まった。 選ばれたのは、1等14編(作文7編、詩7編)を含む作文53編、詩34編。 今回は、日本各地の朝鮮学校から1071編(作文607編、詩464編)の応募作品が寄せられた。 1、2次審査を通過して最終審査に残った作品は274編(作文148編、詩126編)。それらの作品を、初級部作文部門、中高級部作文部門、初中高級部詩部門の審査委員らが審査した。 初級部作文部門では、子どもの日常にありがちな失敗を正直に綴った「折れた花の茎」(川崎初級・初3・李梨奈)、朝鮮からやってきた豊山犬をとりまくハラボジと「ぼく」、学校の友だち、先生の姿を温かく描いた「『ファニ』と『カビ』」(横浜初級・初4・金重黎)、知りたいことを何でもわかりやすく答えてくれるハラボジへの信頼と尊敬を素直に綴った「ハラボジの眼鏡」(東京第6初級・初5・林粋涼)、家族の健康を第一に考える料理上手なハルモニについて書いた「ハルモニは健康博士」(東京第9初級・初6・姜才玉)などが選ばれた。 中高級部作文部門では、チマ・チョゴリを制服として着続ける少女の心の葛藤を描いた「チョゴリ」(東京中高・中2・郭維眞)、日本のサッカー少年らに混じってプレーする中、「スポーツに差別はない」ことを実感した「ひと夏の経験」(千葉初中・中3・趙繩、朝鮮学校の高校無償化除外反対を求めてはじめて街頭活動を行った朝高生の心情を綴った「突破口」(神奈川中高・高2・成美有)などが高い評価を得た。 また、詩部門では、初めての少年団キャンプに心躍る「白い砂浜」(伊丹初級・初4・「柄樹)、新校舎設立を夢見て、わずかな足しになるようコツコツとアルミ缶を集める少年の姿を描いた「アルミ缶」(東京第2初級・初5・金世隆)、一切れのハムをめぐって火花を散らす幼い兄弟の姿をユーモラスに描いた「後味」(西播初中・初6・崔海邦)、勝負をかけたサッカー試合の緊張感をリアルに表現した「勝負の3分間」(群馬初中・中1・梁俊)、夏の日の夕立を爽やかに歌った「夕立」(東大阪中級・中2・沈祥健)、一人ぼっちの美術部でも少しも寂しくないと静かに歌い上げた「美術部長」(神奈川中高・中3・徐・ナアk)、運動会の一競技から朝鮮学校の歴史を知り、自身もその歴史を刻み続けたいと願う「人物探し」(神戸朝高・高3・金星玉)などの作品が選ばれた。 1等作品は、入賞者の声、講評とともに本紙で随時紹介する。その他の作品は入選作品集「コッソンイ第33集」(学友書房刊)に収録される。 [朝鮮新報 2011.1.12] |